売れる営業マンと売れない営業マンの決定的な差を解明することで、営業マン全体の能力を引き上げることができます。
格差の理由がわかれば、その対策を立てる事が可能だからです。
これは、売れない営業マンの底上げだけに焦点を当てている訳ではありません。
売れる営業マンの受注力をさらに高め…。
その受注力を全営業マンに横展開させることが可能になるのです。
そもそも、売れる営業マンは、経験値を積めば積むほど受注力があがってきます。
自信からにじみ出る風格が身につくことも、その1つの理由ですが、もっとも焦点を合わせるべき理由は、お客さんが商品を購入する”理由づけ”を幾通りも持っているからなのです。
ある営業マンに「水」を売らせたとしましょう。
商談から帰ってきたA君に「どうだった?」と聞くと「あのお客さんは喉がかわいていないから水はいらない…と言って断られました」と報告してきました。
売れない理由はいつも同じ。
一時が万事、A君は売れない理由を「喉が渇いていないから…」という1点で見てしまっています。
時々、本当に喉が渇いている人に出くわすと、普通に売れるのでA君は「水が売れるのは喉が乾いているから…」と視野狭窄に陥っているのです。
でも、都内で30mも歩けば自動販売機があり、3分も歩けばコンビニがある今の世の中で、そうそう喉を乾いている人を見つけるのは容易ではありません。
結果は火を見るより明らか…A君の成績は一定せず、しかも低空飛行。
喉が渇いている人をあまりにも見つけられないものだから、日に日に売れない理由を”商品やお客さんのせい”にしてしまいます。
「こんな商品いまさら売れないよ…」
「あのお客さん、なんで喉がかわいていないんだ…」など逆切れ状態になってしまいます。
こんな状態が続くと、負のサイクルに陥り、どんどん売れなくなってしまいます。
ところが、「商品」も「お客さん」も変わっていないのにトップセールスマンのB君は、A君の10倍も水を売ってきます。
B君は、喉が乾いている人を見つけるのがうまいのでしょうか?
確かにそれも一理あるかもしれません。
しかしそれだけでは、10倍も差が出るハズがありません。
では、なぜ売れるのか?
それは、お客さんが商品を買う理由を複数持っているからなのです。
水を買う理由は、喉が渇いている時だけでなく、いろんな理由があることを知っているのです。
売れた経験を積めば積むほど、この「理由づけ」は増えていきます。
だから、喉が乾いていない様々な人にも売れるので、10倍もの差が開いてしまうのです。
商談のテーブルに乗せようと「水を扱っているものですが…」と営業マンが切り込んできても大半の人は「今は喉が渇いていません…」と第一声で断ってきます。
A君はここで諦め、B君は切り返します。
「そうなのですか。でもこの水は”肌”がきれいになるってお客さんから好評なのです。
なぜならば…」
とお客さんが興味のありそうな切り口を瞬時に見つけて、うまく切り返し「あぁ、それなら買ってもいいや…」と脳みそをスイッチさせているのです。
つまりお客さんは、様々な理由で商品を購入している…ここに焦点を合わせることで「トップセールスマンの営業スキルを横展開させることが出来ます。
トップセールスマンに「今、どのような理由付けでお客さんは商品を購入しているのか?」と様々なケースからいくつかの主要な切り口を見つけ、ターゲット層をクリアにしていきます。
そして、そのターゲット層に、喉の乾き以外の切り口で集中的にアプローチを行うことで”新しい売り方”を定着させ、A君のように四角四面の固い頭を少しずつ柔らかくしていくことで、営業部全体の底上げを図っていくことが出来るようになるのです。
トップセールスマンも、言語化できなかった「理由付け」を明確に意識することで、より強い受注力を見に纏い商談に挑むことができます。
優れた営業スキルを会社の財産にするためには、まずは売れている営業マンが無意識で成果に結びついている「理由付け」を意識化させ、言語化することで横展開の材料を揃えることが大切です。
御社の商品を購入しているお客様の理由付け…まずは明確に健在化、言語化することから始めてみませんか?