とことん「本質追求」コラム第447話 新規開拓を強化するインサイドセールスとは

 

 

「藤冨先生からの宿題が、なかなか追いつかなくて…。どう進めれば良いか行き詰まってしまっています」

 

 

潤沢な見込客を生まれ出す仕組みを作り上げるために、日々様々なクライアントさんと伴走していますが、中には足踏みをしてしまう企業さんも一定数いらっしゃいます。

 

理由を聞くと、ほぼ異口同音の答えが返ってきます。

 

「日常の仕事が忙しくって…」と。

 

新しいプロジェクトを進める上で、一番大事なことは何かと言うと「捨てる」ことです。

 

何かの業務を捨てないと、労働時間を増やさない限り新しいことはできません。

だって、現状だって、みんな定時ギリギリまで仕事していますよね?

暇で、暇で仕方ないのですか?

 

そんな人はいないはずです。

仮にいたとしても、そのような人たちが果敢に新しい仕事を推し進めることはありません。

やはり、いま忙しく動き回っている仕事に前向きな人たちが、新しい仕事も引っ張るしかないのです。

 

となると「忙しい人たちグループ」に、まず何をやってもらうか…

というと「今ある仕事を辞める(他の人に業務を移管する)」または「今の仕事の生産性を飛躍的に上げる」しかありません。

 

つまり「空白の時間」を作ることが、新規プロジェクトを進める上で何よりも最初に取りかからないといけないテーマなのです。

 

 

「今ある仕事を辞める」は、あえて本コラムでは取りあげません。

何が無駄なのか、個別案件で精査しないと見えないためです。

 

残る「今の仕事の生産性を飛躍的に上げる」は、フレームワークが存在するので、ここでお伝えしたいと思います。

 

一言で言うと「顧客との面談」を大胆に削減するプランを策定するのです。

 

先日、とあるクライアントさんのコンサルティング現場で、既存と休眠顧客に、自社の商品・サービスを再定義したチラシを案内する計画を企てました。

 

こちらの狙いは「なるほど、御社はそんなことをやっていたのですね!」と、自社の独自の強みを理解してもらうための営業活動でした。

 

その狙いが当たったか否か…理由分析をすると、担当者の方は、謙虚にも「久しぶりだね。遠くから来てくれたから何か仕事をあげるよ」と言われて受注しました!

と報告をしたのですが…

 

よくよく突っ込んで聞いてみると…

「ある課題を投げかけられて、それを即答したから仕事がもらえた」というのです。

 

その課題は、お客様がずっと困っていたこと。

仕事を取られていた競合も提案していなかったのですから、お客様だって「それならお願いするよ!」と言って当然の商談だったのです。

 

比較的高額受注だったので、十分な利益は取れてはいます。

しかし私は、両手を上げて「このままの調子でいきましょう!」とは言えなかったのです。

 

なぜなら、「潤沢に見込客が生み出される”仕組み”」を社長と私は作りたいのですから。

 

そもそも論で考えれば、往復の交通費と宿泊費、そしてその時間コスト(営業マンの人件費)を考えると、正直言ってムダにしか見えません。

 

この「時間」と「コスト」を他に回して、もっと同じような成果を量産することはできないか?

そうした課題を設定した方が、組織営業ができるわけです。

 

 

そこで、「今回受注できたロジックを”課題解決レポート”として蓄積していきましょう!」と助言しました。

すぐさま、レポートの項目を営業マン全員で取り決め、フォーマット化。

社内の情報共有サーバーに溜め込むように取り決めたのです。

 

データ化するだけではありません。

そのデータに「魂」を吹き込むために、朝礼や週礼で「成果発表」を行うことで営業部全員で「温度感」も共有する助言。

 

そして、魂が吹き込まれた「課題解決レポート」を広報部の方が、メルマガ配信し、既存顧客・休眠顧客に周知していく。

(HPの事例集に掲載し、新規顧客獲得コンテンツとしても活用)

 

営業部と密に連携し、メルマガ配信後の電話フォロー体制を確立していくプランニングを企てたのです。

 

電話の目的はアポイントではありません。

「〇〇業界でこんな課題を解決した事例をメールしました。ぜひ見てください!」 という心のパイプ強化を狙った架電です。

それならプレッシャーも感じることなく、定期的に実施することができます。

 

相手方に興味がなければ1件あたり30秒もかかりません。

逆に「同じ課題認識をしている方」であれば、「えっ何それ、詳しく聞かせて!」とメールを見るまでもなく、そこで詳細な課題がヒアリングでき、その場で見込客が発掘されるわけです。

 

そんな助言をしていたら、ある担当者の方が「実は今、インサイドセールスの研修を受けていまして…まさにこれがインサイドセールスなのですね」と発言。

 

そう、その通り。

「既存顧客との面談を大胆に削減するプラン」を策定したにすぎませんが、結果的には「インサイドセールス」の仕組みが1本出来上がったわけなのです。

 

インサイドセールスとは、いわゆる営業活動の「フィールドセールス」とは異なり、面談を伴わない営業活動になります。

ちょっと概念図で整理してみたので、ご覧ください。

 

 

どのようなコンテンツを…

どのような方法で届け…

どのように認知してもらうか…

 

このクリエイティブが、インサイドセールスに成果をもたらすのです。

 

いわゆる自称コンサルタントは、「インサイドセールスとは… あとはみんなで考えましょう」と投げやりな対応をします。

しかし、知識の習得であれば「本」や「ネット」で十分。

 

・御社の業界であれば、競合は目をつけていない「この手法」を選択しましょう。

・御社のサービスはわかりにくいから「このようなコンテンツ」で刷り込みを行っていきましょう。

・御社の商品は、スイッチされやすいから「このようなデリバリーでパイプを作っておきましょう」

 

などのクリエィティブがあってこそ、本当のコンサルティングになるのではないでしょうか?

 

御社もインサイド・セールスを組み込んで、営業部門の生産性を上げながら、新規顧客獲得の仕組みを確立してみませんか?

 

オンライン相談承ります → https://www.j-ioc.com/wp2024/inquiry.html