とことん「本質追求」コラム第439話 人は「環境」で育つ

 

「コロナ以降、社員の積極性が著しく落ちているような気がしています。他の企業はどうなのでしょうか?」 

 

先日ミーティングをした社長が、業績が好転しない中、社員が思考停止状態になっている現状を憂いながらつぶやいていました。 

 

クライアント企業さんを中心に、様々な企業を見ているなか上記の企業のように社員が保守的になり動きが鈍っている企業と、逆に活発になっている企業は両極端に存在しています。 

 

分析するまでもなく、両者の違いは明らか。 

一言で言うと「カンフル剤」だけに頼るか、それとも「根治療法」を追求するか…いずれかの選択肢の違いによるものだと藤冨は確信を持っています。 

 

そもそも、大多数の人々は「強いストレス」が加わると萎縮する傾向が強いものです。 

逆境をバネにして、エンジン全開でストレスの原因をぶち壊すような積極的かつ行動力のある人は少数派。 

多くの人々は、強いストレスが加わると思考が停止し、現状維持に留まる傾向にあります。 

 

コロナが世界に出現し「感染リスクへの恐怖」「経済活動が停滞する中での未来への不安」は、まさに強いストレスが与えられている状態。 

放っておけば、社員が思考停止になり、組織活動が停滞し、業績は右肩下がりになるのは、ある意味当然の流れです。 

 

もし、そのような懸念がある場合は、早急なる手当が必要です。 

 

昨年の9月に書いた「第382話 生存者(生存社)の条件」で紹介した「わけあって絶滅しました」という恐竜など様々な絶滅していった生き物の「理由」が書かれたベストセラーには、こう記されています。 

 

絶滅した生き物たちの共通点は「これまでの生き方を変えなかった」「仲間と一緒の行動が安全だと思い込んだ」の2つ…だと。 

 

まさに、コロナ禍における強いストレスによって、社員が保守的になり活動が停滞している組織は危機意識を持たなくてはなりません。 

では、どうこの危機を打開するのか。 

 

藤冨が指導している「波及営業」の根本思想は、売上が最も上がりやすい状態に整え、営業マンの属人的な要素で売上が上下する要素を極力低減させていくことにあります。 

 

もう少し分かり易く言うと、営業活動の「環境」を変えて、お客様から選ばれる存在に見え方を変えていくことです。 

売り込むのではなく、商品やサービスを顧客目線で捉え直し、魅力化させていくのです。 

 

環境を変えること… 

これはとても重要なキーワードです。 

 

「社員が保守的になり、変わらなくてはいけない現状があるのに、これまで通りの仕事のやり方を変えずに、活動量が減退している」 

「どうでも良い仕事に時間をかけ、成果に結びつく仕事をしていない…」 

 

こういった現状において、未だ過去の習慣に倣ってスパルタ式の教育訓練に社員を出している会社が、悲しいことに未だに存在しています。 

 

社員の尻を叩き、どこに向かって走っていけば良いのかわからない状況の中、とにかく走れ!と言わんばかりに、強制的に行動量を増やそうとする…。 

 

行動量さえ増えれば、思考停止が収まるのではないか…と、淡い期待を抱いて、経営陣も管理職も手を合わせているだけ。 

 

これでは残念な結果に終わるのが、正直目に見えています。 

 

もちろん、カンフル剤は、時として有効です。 

しかし、カンフル剤を打つ目的はあくまでショックを与えて蘇生させるだけです。 

その後、免疫力が備わっていなければ、元どおりになることはありません。 

 

ビジネスでいう免疫力は「仕事で成果を出すための思考回路と勤勉さ、行動力」になります。 

 

この免疫力を強化するには、「環境」を整備する必要があります。 

優れた環境があって初めてビジネス免疫力が強化されていくのです。

 

例えば、ビジネス免疫力の重要な要素である「成果を出すための思考回路」は、持続的な訓練(環境)が必要です。 

 

・我が社の商品を購入しているお客様の真の目的は何だろうか。 

・何故、競合他社を跳ね除けて、選んでくれているのだろうか。 

・我が社の活動は、結果的に顧客の何に貢献しているのだろうか。 

・我が社の真の存在意義はなんだろうか。 

・その真の魅力を新規開拓の現場において、正しく伝えられているだろうか。 

・新規開拓の顧客接点にクリエイティブの余地はないだろうか。 

・商品、パッケージ、ネーミング、価格など、買い手に最適化されているだろうか。 

・初回接点から契約までの流れは、効率的に整備されているだろうか。 

・もっと成果を出すために「ボトルネック」になっているところはないだろうか。 

・顧客の使用満足を持続的に新規開拓ツールに展開できないだろうか。 

・紹介、口コミの仕掛けに工夫の余地はないだろうか。 

 

などなど、成果に繋げるための「問い」を常に投げ続けることで、自然と「考える習慣」を身につけられるよう、経営陣は「環境」を整備することが必要です。 

 

そして、勤勉さと行動量を持続的に維持するための「連絡・報告・相談・トレーニング」環境を整えることで、やらざるを得ない状況を作ることでパフォーマンスを維持していくのです。 

 

これが出来て、初めて「根治」が可能になります。 

 

途中離脱者が増えるかも知れませんが、それはある意味仕方のないことです。 

名著「ビジョナリーカンパニー」にでもこう記されています。 

 

「ビジョナリーカンパニー(永続する企業)は、自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる」と。 

 

同じ方向のバスに乗れない社員は、別のバスに乗った方が、その社員も幸せです。 

人生の目的が違うのなら、同じバスに乗ることは不幸になるからです。 

 

御社は、今の逆境を乗り越える手段として「ビジネス免疫力」の強化を図るための「環境整備」に力を入れていますか?

 

追伸

成果を出すための思考回路は、藤冨の得意分野であり、波及戦略の導入コンサルティングにも組み込まれていますが、「勤勉さ、行動量を持続的に維持するための環境づくり」は、藤冨の不得手分野でした。

ところが、先日とても素晴らしい仕組みに出会い、事業パートナーとしてタッグを組むことになった会社があります。

 

詳しい話を聞きたい方は、21日、22日のコンサルティングEXPOでお話しできます。

1万円の入場料が、以下のサイトからお申し込み戴ければたったの100円。

ぜひ、奮ってご来場ください。

 

▼特別招待枠(出展関係者専用ページ)▼

https://www.jcpo.jp/expo2020_participants.html

※オンライン決済の場合は、100円必要です。