とことん「本質追求」コラム第413話 コロナ問題抜本対策のカギはマーケティング思考にあり!

 

 

 

「政府からの休業要請で、廃業に追い込まれそうです。打つ手はありますでしょうか?」

 

ここ最近、現クライアント企業さんだけでなく、以前お手伝いした社長さんからも頻繁にメールが送られてきています。

業種によっては、深刻な売上減に見舞われて、絶望的にすら感じざるを得ない状況です。

 

しかし、必ず何かしらの打ち手はあります。

出来ることを全て紙に書き出し、矢継早に実行することで、ネガティブ思考に支配されず、脳みそをポジティブに保つことが出来ます。

 

諦めないでください。

必ず活路はあります。

もしも、業界的に厳しいようであれば、今すぐに新規事業計画を企てる必要があります。

 

コロナ騒動で、営業活動が制限され身動きが取れない状態のままだと間違いなく正気が失われていきます。

 

攻撃は最大の防御なり…です。

 

しかし、この「攻撃は最大の防御なり」を誤解しないように注意する必要があります。

 

負ける戦いはしないこと。

負けるとわかったら、すぐさま引くこと。

 

これは孫子の兵法が言いたかった本質部分です。

 

自社が勝てる分野確かな顧客欲求の重なり合った部分を明確に浮き彫りにすることが大事。

 

そう、今こそマーケティング思考を強化していかなければならない時代に突入してしまったと認識すべきなのでしょう。

 

 

マーケティング 思考というと、雲を摑むような感じですが、私がここで言いたいことはたった一つです。

 

新しい顧客に新しい価値を提供することです。

 

新しいと言っても、今までの顧客を切り捨てるという意味ではありません。

 

今までのお客様でも、今の大きな社会変容によって価値観や行動様式が変容していきます。

 

どのように変容するのかをしっかりと捉え、その変容した価値観、行動様式にマッチした「新しい価値」を提供するという意味での「新しい顧客」です。

 

新しい価値も、ゼロから作った新商品でなければならない…という意味ではありません。

 

既存商品であっても、提供スタイルを変えたり、何かしらの機能を付け加えたり、素材を変えたりするだけでも、十分な場合もあるでしょう。

 

 

先週の金曜日に実施した「100円セミナー」でも、今悲惨な状況に置かれている飲食店が行うべき対策として、テイクアウト一辺倒であることに藤冨は危惧を抱いていることをお話ししました。

 

聞いた方もいらっしゃると思いますが、復習も兼ねてお話しさせてください。

 

売上が激減している飲食店がテイクアウトに乗り出すことはある種当然のことだと思います。

来店客が激減しているのですから、私がオーナーであっても、当然テイクアウトをすぐに始めます。

 

しかし、お客様はそもそもテイクアウトの食事をどう捉えているのか?

その考察抜きには、対応するメニューを決めることはしません。

 

生物が生きる上での「エサ」としての食事なのか?

それとも、家族団欒のツールとしての食事なのか?

普段よくいく店のスタッフやオーナーと会いたくてテイクアウトするのか?

 

どんな動機づけが働くと「当店のテイクアウト」を頼みたくなるのか?を考え抜きます。

 

エサとしての食事で、わざわざウチの店の料理を買いに来るか?

エサだったら、カップ麺やコンビニでもいいじゃないか?

いや、飽きるから来るのかな? でも、それなら購買頻度は低くなるから儲からないよな…。

 

どんなメニューがウケるのか! とすぐに商品レベルに落とし込んで考えるのではなく、お客様が置かれている状況や環境、そこから生じるであろう欲求を探求し、どうやったら喜んで財布の紐を緩めてくれるのか?を考え抜くのです。

 

 

大事なことなので、もう一度言います。

自社が勝てる分野と確かな顧客欲求の重なり合った部分に勝機があります。

 

端的に言えば、この勝機を見つけ出すのが、マーケティング思考です。

 

 

イメージしやすいように、もう少し具体的に落とし込んでみましょう。

 

売り手側が、地元では名の知れた料理屋さんだった場合、強みは「腕のある料理人」「伝統と格式」だったとしましょう。

そして、お客様の置かれた状態は、仕事も自宅、外食やレジャーにも行けずストレスが溜まっている状態。

「何かストレスを発散したいけど…何をやったら良いのかもわからない。あー退屈だなー」という人々が今わんさかいる状態です。

 

 

 

単に「テイクアウト料理」だけでは、“今”のお客様の欲求を充足できていません。

 

どうやって、お客様に喜んでもらう?

と考えると、1つのアイディアとして「伝統の味 オンライン・キッチン教室」なんかが考えられます。

 

巷の料理教室ではない、名店ならでは…の料理教室です。

 

1人前ずつに小分けした食材を提供し、レシピを公開。

その後、日時を決めて、オンラインでお客様と一緒に作るのです。

 

名物料理のレシピであろうとなんであろうと、全公開です!

(もちろん、極秘のタレなどは、小分け販売で対応)

 

  • ちょっとした料理のコツ。
  • 手際が良くなる料理手順。
  • お皿のセレクト方法
  • ライブならでの質疑応答

 

テイクアウト料理を「食欲を満たすエサ」ではなく、「楽しく美味しい非日常の演出」に変えてしまうことで、新しい顧客に新しい価値を提供することができます。

 

 

お客様は、まとめ買いすると高額になる食材が、その日の分だけ小分け購入できるだけで、経済メリットがあります。

しかも、ちょっとこだわった食材なんかはスーパーでは買えません。

 

食材の提供方法だけでも「価値」があるのに、さらにオンラインで料理まで教えてくれる!

 

参加者同士のコミュニケーションも生まれ、自宅がイベント会場に変身。

 

こんな取り組みをまだやっているところは無いと思います。

もし先行者になれたら、プレスリリースでも出せば、コロナ対策に合わせてメディアからの取材も入る可能性も大です!

 

 

どうでしょう。

テイクアウト料理を提供するのも良いのですが、「伝統の味 オンライン・キッチン教室」の方がお客様も喜び、客単価も上がるイメージがつきませんか?

しかも、無料の販促までいけそうです!

 

これは名店に限ったことではありません。

今のお客様は、そのお店のファンです。

いつも食べているお気に入りのメニューを自宅で作り、シェフや他の常連客とも繋がれる。

 

 

こういった上位概念思考から具体策を展開していくマーケティング思考が、新しい顧客を見つけ、新しい価値を生み出します。

 

経営の神様「P・Fドラッカー氏」が経営の目的として定義した、まさに「顧客の創造」です。

 

御社も、既存事業をマーケティング思考で再定義してみませんか?