とことん「本質追求」コラム第408話 30年に一度の大チャンス到来?!

 

 

 

「藤冨さんが半年前からずっと言っていた“世界的な大不況”が現実味を帯びてきましたね。今できることを棚卸したいのですが手伝ってもらえますか?」

 

3年ほど前にプロジェクトを完了したクライアントさんからメールを頂戴しました。

 

昨秋に発信していた本コラムの「第383話 予想される大不況への取るべき経営者の態度」を記憶されていたようです。

 

設備投資を控え、内部留保に努めていたとのことで、その資金を「何に」「いつ」「どのタイミング」で投資すべきか…

個人的には、30年程度のロングレンジでやってくる「大チャンス」だとも感じています。

 

今、世界で起きていることに「?」を感じている方は、藤冨の周りには多数いらっしゃいます。

乱暴に言えば、たかが風邪程度のウィルスで、世界のトップが非常事態宣言を出してきているからです。

 

まるで「黒い白鳥」が「灰色のサイ」にちょっかいを出して、世界経済が混乱するかのようにも映ります。

 

「黒い白鳥」とは、金融業界の専門用語で「リーマン・ショック」のような、めったに起こらないが、発生すると壊滅的な被害を引き起こす現象を言います。

そして「灰色のサイ」とは、普段はおとなしいが一旦暴れ出すと誰にも止められない「構造的な問題が蓄積し、経済危機を引き起こす」潜在的リスクのことを言います。

 

つまり「コロナ騒動」が、返済原資のない世界各国の膨大な借金…つまり構造的問題を全人類に露呈させる発火点になるのでは? と感じているのです。

 

もしも、それが現実となれば30年前に日本が味わったバブル崩壊が、世界規模で起こることを意味しています。

 

多くの個人、企業が大打撃を受けることは、容易に想像できます。

 

しかし、これはある種「次の時代に適応していくための試金石」だと捉える方が正しいのでは、と藤冨は感じています。

 

本田宗一郎氏の名言でもある「満つれば欠ける」のは、世の常です。
となると、欠けた後の世界でどう生き残っていくのか? を考える必要性が今後日に日に増してくるのではないでしょうか?

 

 

絶滅への唯一の対策は「学んで考えること」です。(第382話 生存者(生存社)の条件

 

ただ、焦点を絞らぬまま考えても途方にくれるばかり。

 

なので、次の時代に適応するためのアジェンダ(課題項目)を藤冨なりに列挙していきたいと思います。

 

  1.  内部環境の整備

 

今回のコロナ騒動で一番変化するかも? と感じていることは、「働き方改革」の半強制的な移行です。

大手企業の出勤禁止令を受けて、多くの方が在宅勤務、モバイルワークなどの「テレワーク」を半ば強制的に体験させられています。

 

マネジメントができないテレワークは、定着しないでしょ…と言う方もいらっしゃいますが、政府が掲げる主張は「時間給」から「成果給」への移行です。

出退勤の時間を管理するのではなく、成果で評価して対価(給与)を払う。

個人は、通勤のストレスから解放される代わりにシビアに成果を問われる。

 

仕事のできる人には、ラッキーな世界観。

できない人は、すぐに自分の価値を見つめ直し、能力を発揮できる仕事を見つけることが求められる社会になるでしょう。

 

ミクロで見ると過酷な世界ですが、マクロで見ればチャンスです。

日本の労働生産性は先進7カ国の中で最下位と言われていますが、原因の根底は、日本企業の横並び主義と労働者の意識と思考回路に問題があると藤冨は感じています。

 

今回のコロナ騒動は、企業の生産性向上を引き上げる千載一遇のチャンスです。

  • テレワークシステムの導入
  • 成果給のあり方研究と実施プロセスの計画立案
  • 就業規則の変更

などなど、内部環境を整備する最大のチャンスだと感じるのは藤冨だけでないはずです。

 

 

  1. 仕事の進め方改革

 

営業の仕事に限って言えば、テレワーク同様「オンライン会議」や「オンライン・プレゼンテーション」による遠隔商談の進展が進むと藤冨は感じています。

営業における移動時間は、売り手側にとっては経費増につながり、買い手側にとっては、コスト転嫁につながるためです。

 

ITの高度化は、無駄な思考・行動をどんどん削っていきます。

削られたくない営業社員は、効率化を「ああ言えば、こう言う」で真っ向から否定してきます。

否定している社員を分類してみてください。

おそらく創造性に欠けルーティンワークを好む社員ではないでしょうか?

これからルーティンワークは、ITやロボットに置き換わっていきます。

ルーティンワークを好む社員も、ぬるま湯から出て、1日も早く自分が創造的に仕事ができる「居場所」を探すべきです。

そうしないと「わけあって絶滅しました」に登場してくる古代生物になってしまいます。

大変な時代だと藤冨も思います。

しかし、これは時代の要請でもあります。

真摯に現実を受け止めることが、今はとても大事。

 

話が少々ズレてしまいましたが、外部接点も「オンライン化」を進めることをオススメします。

  • 問い合わせフォームに「訪問希望」「オンライン会議希望」と告知すること。
  • コロナ騒動で中止になった商談を「オンライン」での実施を提案してみる。
  • 各人が行ってきた営業プレゼンをビデオにとって、商談の効率化を図る。

などなど、考えられることは沢山あるはずです。

 

 

  1.  新規事業の企画チャンス

 

  • AI、自動化、ロボット…
  • 成熟国家の高齢化問題…
  • 企業間競争の複雑化…(異種格闘技戦の時代)
  • 働き方改革の推進
  • 紙幣からデジタル通貨への転換

 

様々な環境変化が、今回のコロナ騒動で加速度的に推し進められると感じています。

既存事業と環境変化のキーワードをシェイクして、何か新しい企画が打ち立てられないか?

社会の経済活動がストップしている時だからこそ、できるのが「企画」です。

 

藤冨は30年前のバブル崩壊時に「新商品開発専門のコンサルティング企業」に勤めていました。

今でも覚えていますが、新聞・雑誌などのメディアは「不況期のため新規事業を控える企業が続出する…」と盛んに発信していました。

 

しかし、現実は逆でした。

面白いほど、新商品開発のコンサルティング依頼が舞い込み、好決算を叩き出したのです。

 

 

今回のコロナ騒動のような「異常な空気感」が流れている時は、マスコミが大きな声で発信している方向性とは真逆の方向性に目を向けることが大事だと、藤冨は経験から学んでいます。

日比谷図書館に行って「第二次世界大戦中の新聞」を読んでみてください。

原爆が落とされても「まだ勝っている!」と言う記事が掲載されているほどですから。

 

御社は、この逆境をチャンスに変える「臨戦態勢」を整えていますでしょうか?