世の中の大半の商品やサービスは、創業者が自ら考え、開発し、発売に至るまで、尋常ではない努力をしています。
そんな思いを汲んだ営業マンは、顧客からの「歯に衣(きぬ)着せない指摘」について、会社に戻って、ずばりダイレクトに報告できない・・・
そんな空気が漂っている企業があまりにも多いのではないでしょうか。
仮に営業マンが勇気を振り絞って進言したとしても「それは顧客がわかっていない。
ウチの商品はどこよりも優れている!」と聞く耳すら持たない。。。
これでは、正確な外部情報が入ってくるのを、幹部や経営者自らが放棄しているようなものです。
営業マンが情報を加工せず、そのままダイレクトに社内にフォードバックできる組織の風土づくり。
これは非常に大切です。
そもそも経営とは「どの事業領域で、勝負をするか」を決めることです。
なのに、外部情報がねじ曲げられて入ってきてしまったら、その判断を見誤ってしまいます。
戦国武将として有名な織田信長も、桶狭間の戦いで、今川義元の首を取った毛利新介より、今川軍の位置を正確に信長に知らせた簗田政綱を勲功第一とされたという、逸話があります。
信長も学んだとされる「孫氏の兵法」では、かの有名な「彼を知り己を知れば百戦危うからず。彼を知らずして己を知れば一勝一敗。?彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし」という名文句があり、情報の重要性を端的に指摘しています。
人の主観が入った情報は、もはや経営判断としては正しく使えません。
営業パーソンは、情報を決して捻じ曲げてはいけません。
そして上長である営業幹部や経営者は、良い情報も悪い情報もダイレクトに入れる営業パーソンを企業がどんどん評価すべきです。
そのためのコツは・・・
●部下から情報が入ってきた時に、冷静に受け止めて、決して感情的にならないこと。
●受け取った情報を捻じ曲げようとせず、部下が話終わるまでしっかりと聴き続けること。
●自分にとって痛い情報でも、興味関心をもって、「それから、それから・・・」 と掘り下げるようにすること。
●対策案を投げ掛けてみて、一次情報を握った感覚から見た場合の判断に注意を向けること。
●握った情報をストレートに伝えた勇気を褒め称えること。
この5つがキモになります。
但し、その受け取った情報をそのままダイレクトに組織に還流させないことも大切。
しっかりと「ジャッジメントをするフィルター」を通して、方向性のみを還流させるようにしなければ、組織は右往左往してしまいます。
正しいジャッジをするためのフィルター…。
これを予めしっかりと定めておくことが「顧客情報をぶれずに経営に活かす最大のキモ」になります。
「ジャッジのフィルター」
「明確な判断基準」
迅速な経営判断を行うためにも・・・これは予め準備しておくに限ります。