「今回制作したランディングページですが、文章が長いと読まないのでは? と外部から指摘を受けました。
もう少し文章を少なめにした方が良いのではないでしょうか?」
先日お手伝いをしている社長さんから、現在行っているプロジェクトを告知するホームページ(LP:ランディングページ)についての助言を求められました。
私の答えは明白です。
文章の量と反応(売上)との相関関係は全くないので、気にする必要は無いということです。
伝えるべき内容が長ければ、必然的に文章量は多くなり、伝えるべき内容が短ければ、減るだけの話です。
あとで理由も述べますが、心理学的に見れば逆に適切に長い方が反応率は向上します。
それに文章量が多いと読まないという一般論も、信じる必要がありません。
まずは、その根拠をお見せしましょう。
よく藤冨のコラムは長いから読まないのでは?
と言っている人がいると「風の便り」で聞いています。
確かに、毎回2000文字もの文章量なので、そう感じる人がいても不思議ではありません。
原稿用紙にして5枚分もありますから、精読するにはエネルギーが必要です。
でも、実際にフタを開けてみると大半の方が最後まで読んでくれています。
これがその証拠です。
このキャプチャー画像では、619人の閲覧者が、平均4分14秒「滞在(精読)」してくれた結果が映し出されています。
これまでの363話分のコラムも分析してきましたが、毎回おおよそ4~5分です。
時々、面白くないコラム(と評価された)の時は2分程度になるなど、精読率(滞在時間)が下がることもあります。
読者の方は本当に正直です。
統計はウソをつかないので、私は毎回、毎回のコラムを分析して、PDCAを回してきました。
どんな文章が読まれ、どんな文章が読まれないのか? その仮説と検証を繰り返してきたのです。
今回で364話ですから、363回PDCAを回した計算になります。
2012年5月1日からコラムを書いていますから、かれこれ7年も飽きずにチェックしてきました。
なので、自信を持って断言できます。
長い文章でも、訓練を積んだ人が書いた文章であれば、必ず最後まで読んでくれるのです。
その訓練の方法は、やはりPDCAを回して「コピーライティング・スキル」を上げるしかありません。
ちなみに、どのようにPDCAを回しているのか?
藤冨は、1つの原理原則をベースにして2つのチェックをしています。
まず厳粛なる原理原則として、最初の一行目のコピー(セールストーク)は、二行目を読ませるためにある。
というコピーライティングの基本を大事にしています。
二行目を読まなければ、当然ながら三行目も読んでくれません。
三行目を読んでくれなければ、当然ながら最後まで読んでくれるはずもないのです。
それをチェックするのが、前述した「平均ページ滞在時間」。
それともう一つが「ページ訪問者数」です。
ページ訪問者数は、本コラムのリードが「メルマガ」にあるため「タイトル」やメルマガのリード文(前半の途中までコピペした文章)によって、読みたいか、読みたくないかが決まります。
キャッチーな「タイトル」だと読者数が上がり、平凡だと読者数が下がります。
これも顕著に表れます。
また、平均滞在時間は、最後まで読んでもらえると4~5分になるので、そこを目安に「目標通りの文章」が書けたか否かをチェックしています。
「目標通りの文章」とは、繰り返しになりますが、最初の一行目のコピー(セールストーク)は、二行目を読ませるためにある。というコピーライティングの基本のことです。
せっかくなので、今日は読み続けてもらうためのコピーのコツについても書き添えてみたいと思います。
営業マンの方は、セールストークと一緒なので、ぜひ参考にしてください。
言語感覚の鋭いものが商売を制す。
これは古今東西の歴史も証明している現実ですので。
さて、読み手(聞き手)は、情報の洪水に辟易しているので、並大抵のことでは「情報に接触」してくれません。
前回のコラムでも書いたように、
人は、読まない(見ない)
人は、信じない
人は、行動しない。
という前提にたち、どうやったら読んでもらえるのか?を死ぬほど考える必要があります。
例題をあげてみましょう。
競合品と比較をして、ミネラル含有量が多い「ミネラルウォーター」を販売したとします。
あなたなら、どうやって最初の一行で惹きつけて、ミネラル量が多い水を飲むメリットを伝えますか?
まず分かりやすくするために、失敗する確率が高い例をあげます。
「あなたは水を飲んでいますか?」
このコピーは、認知心理学の観点からすると失敗例となります。
なぜなら「水を飲んでいる人に“飲んでいますか?”」と伝えても、答えは“飲んでいる”という反応しか返ってこないためです。
水を飲むのに大変な苦労を伴うアフリカであれば、このコピーは効きます。
しかし、日本においてはあり得ませんね。
コピーにしろ、営業トークにしろ、言いたいことを言うのではなく、相手の理解がどうなされるのか?に注意を払う必要があるのです。
では、次に反応が取れる確率の高いコピーを考えてみましょう。
「この1本で1日に必要なミネラルが補給できます」
どっかで見たことのあるコピーですが、即興なのでお許しください。
ただ、このコピーだと反応が取れる根拠はしっかりとあります。
読み手の認知を想定するとそれが分かります。
このコピーに触れた人は…
『言われてみれば、ミネラルウォーターってミネラル補給だよな』と感じる人が一定数いるはずです。
また、『1日に必要なミネラルって、どれくらい?』と疑問を持つ人もいるでしょう。
他にも『そもそもミネラルって、どんな効能があるの?』と本質を追求しようとする人も一定数いるはずです。
その全ての疑問に丁寧に答えていくのが、セールス・コピーライティングなのです。
だから、必然的に長くなりがちです。
無駄な贅肉コピーは削除すべきですが、伝えるべきことを伝えないのは、絶対に避けなければなりません。
それに本質的には、できるだけ滞在時間を増やした方がコンバージョン率(購入や問い合わせなどのアクション比率)は上がります。
これが長いコピーが効果的である理由です。
商売をリアルにやって成功している人なら、無意識的、意識的かは別にして間違いなく分かっていることです。
コンビニが一番奥にドリンクを置くのは、滞在時間を長くするためです。
また、売れる営業マンは商談の雲行きが怪しくなると、商談時間を長くして受注確率を高めていきます。
顧客心理から見ても、費やした時間数に対して元を取りたいという潜在欲求があるために、購入などのアクションを起こしやすくなるのです。
長い文章は読まれないよ…。
一見すると正しいように感じますが、それは妄想に過ぎません。
実業家である経営者や営業マンの皆さんには、事実、現実、真相を知ってほしいと強く願っています。
追伸
ちなみに、今回のコラムは2863文字。
原稿用紙にして7枚以上の文章量となります。
いかがでしょう?
思ったよりもサクッと読むことができたのではないでしょうか。