「クラウドファンディングの活用法が理解できました。市場の反響を見る一つの手段でもあり、リターンに弊社の商品を用いる事により売上にも通じる。と言う事ですね。」
先日、クライアント企業さんに「新しい資金調達法として注目されているクラウドファンディング」への取り組みをオススメしました。
ところが、キャッシュは問題ですよ…。との返信が。
私も、舌足らずの勧め方をしてしまったので誤解を生じさせてしまったようです。
そこで、詳しくご説明したメールをおくり、上記の通りご納得を頂くことができたのですが、ここは見落としてはならない重要な示唆も含まれているので、コラムにて皆様にもシェアしたいと思います。
もともと、クラウドファンディングへの取り組みをお勧めしたのは、「こんな商品があったらいいのに…」と個人的に以前から思っていた商品が目に飛び込んできましたのが事の発端です。
カギや財布につけておき、いざ無くしていたときスマホ等を使って「位置情報」を入手し発見する「タグ」です。
似たような商品はあるのですが、位置情報の検出法が気に入らなかったり、デカくて不格好だったりと、イメージしている商品が見つからないままでいました。
ところがある日、ズバリの商品が目に飛び込んできたのです。食い入るようにしてネットの説明を読み、その場で8,900円の商品を購入しました。
でも、購入といっても届くのは、2016年の年末。
あと9ヶ月も先です。
しかも、9ヶ月後に届く保証はありません。
もしかしたら1年後に…
いや、下手をすると届かないかも知れません。
そう、私が購入したのはクラウドファンディングを通じての「商品の購入権」だったのです。
商品のコンセプトとデザイン、価格だけが決まっていて、「こんな商品を作ります。だれか投資してくれませんか? 出来上がったら、それを貴方に送ります。それが投資リターンです」
簡単に言えば、クラウドファンディングの仕組みとは、こうゆう事です。
つまり、これから新商品をつくる際に、資金調達と同時に、テストマーケティングが出来るという仕組みなのです。
目新しい商品を売り出すには、もってこいです。
私がお手伝いしている企業さんも、現在「特許、実用新案、意匠権、商標権等」でパテント固めをしている最中ですが、とても面白い商品を開発しています。
世の中にはない商品なので、ニュースリリースをメディアに送れば、間違いなく取り上げてくれそう。
波及営業を実践するには、充分に下地の整った商品だと期待しています。
でも、世の中には100%成功する!という商品なんてありません。
それに、売上ベースで数億円規模のポテンシャルをもった商品でも、微々たる売上で甘んじている商品も世の中には沢山あります。
商品の見せ方、仕掛け方次第では、2倍どころか、5倍、10倍にも伸びそうなのに、本当にもったいない…と思うことも多々あります。
そう後から嘆かないために、抑えるべきこと、取り組むべき手順は間違わないようにしないとなりません。
例えば…
新商品の場合は、目新しさや時代の流れに乗ったコンセプトを世に提示できれば、メディアが取り上げてくれる可能性があります。
私も過去にお手伝いしたケースでは、人気テレビ番組に取り上げられて広告換算すると108,240,000円ものパブリシティに成功したこともあります。
営業も、パブリシティも見せ方が大事なのです。
しかし、いくら見せ方が上手くても、購入までの動線を計算していなければチャンスロスが生じてしまいます。
ここで数千万、数億の取り返しのつかないミスが生じることが多いので、本当に注意が必要です。
実際、欲しい!と思った瞬間に、どうアクションするのか? を織り込んで、その対策を講じていないケースが驚くほど多いものです。
日経MJの「新商品コーナー」を見ていても、8割以上がミステイクをしています。
例えば、テレビや記事に取り上げられる「言葉」に特徴をもたせ、ネットで検索した際に、きちんと売れる、または問合せできる様、検索上位に表示をさせて置かなくてはなりません。
ネットを意識したネーミング技術と、検索上位にあげるリスティング広告またSEO技術を織り込む必要がある…ということです。
また、店頭で販売する場合は、ストアカバー率をあげなくてはなりません。
ストアカバー率とは、お店の店頭に置かれている比率のことで、取扱店の数を増やすことで、この値はあがっていきます。
せっかく広告を出しても、ストアカバー率が低ければ消費者は購入できません。
アタリマエのことですが、意外な盲点になるところです。
このストアカバーは、仕掛け方も重要で、限られた経営資源と時間のなかで勝負を掛けなければならない中小企業の場合には、そうとう緻密に取り組まないと期待した成果を得る事ができなくなってしまいます。
ごちゃごちゃと書きましたが、まぁ新商品を世に出すときには、やるべきことが沢山あって、その実施手順さえも成否を分けることに繋がるわけです。
一言で言えば、とても面倒くさいわけです。
(だから、藤冨の存在意義があるわけですが…)
その面倒くさいことを、ある部分だけ一気にショートカットできるのが、冒頭にご紹介したクラウドファンディングなのです。
新商品を打ち出し、それが買い手に魅力的に映るのか? 価格の上限はいくらになるだろうか…。 そんなテストが簡単に出来てしまうのです。
簡単と書いてしまいましたが、実際には考えるべきこと、やるべきことは沢山あります。
クラウドファンディングで正しく需要を読みとるにも、やはり綿密な取り組みは必要なのです。
コンセプトを正確に世の中に発信し、商品の存在意義の新価を問う訳ですから、手を抜く事はできません。
- 写真や商品名を見ただけで欲しくなる「見せ方」は?
- 誰に、どんな使い方がされれば、どんな利益を享受できるのか…という見せ方は?
- WEBを読み込ませる手順は、購買心理に沿っている?
- WEBデザインと商品の親和性がある?
- 価格の見せ方は、適切?
- 公開する前に知的財産権の確保は終わった?
など、考えなくてはならない要素、取り組むべき事項が満載です。
しかし、やる価値は十分にあります。
「普及学」における“普及のキッカケを握るイノベータ(冒険者)”からの反響が取れる確率が非常に高いからです。
しかも、売上を先取りして資金調達まで出来るのですから…。
BtoCビジネスにしか有効ではありませんが… 御社も、新しい「資金調達&テストマーケティング」が出来るクラウドファンディングを活用していみませんか?