「本当に売りにくい商品なのです」
営業部隊から、よくよく聞かされるこの言葉。
真偽は、商品や営業を観察しないとわかりませんが…
正直いって、まったく売れない商品というものは存在します。
・顧客の欲望に突き刺さっていない商品。
・他社商品との比較において惨敗している商品。
・文化的、時代的に受け入れられない商品。
これらの商品は、現場がいくら頑張っても不毛な戦いに終わります。
早急に撤退するか、売れるカタチにリメイクして市場に再投入する必要があります。
売れない空気が漂ったまま、営業現場の尻を叩いても、営業部隊は二枚舌になるばかりです。
表面上は…
「頑張ってはいるんですけどね…」
「良いラインまで行くんですが、見積で蹴られてしまうんですよ…」
「価格がもう少し安いと売れるんですけどね」
など、キチンと仕事に向き合っている姿を見せながらも…
「こんな商品売れないよ…」
「社長は現場を知らないんだよ」
「ウチはそもそもデザインがダサいからな」
と、ホンネを聞くと全く売る気のない発言が飛び交っていることがあります。
こんな状態でズルズルと時間を過ごすことほど、ムダなことはありません。
「この商品は売れる!」と営業部隊が活気づかないことには、売れるモノも売れません。
だからこそ、早急に「場の流れ」を変える必要があります。
・お客さんが「欲しい」という空気をつくり出す事。
・営業マンが「売りたい」という空気をつくり出す事。
この空気をつくり出せなければ、売上がグングン上がっていくことはありません。
その起点となるコンセプトを作るために、現状を掌握し、売れる道筋を探すことになるのですが……
この現状把握が、意外にも曲者なのです。
会議室で飛び交う「現状」というのは、営業マンの主観です。
営業マンの主観には、自己防衛本能が働きやすいので、バイアス(偏り)が入ります。
本当に売れないのか、それとも言い訳なのか……
現場を観察しない事には、真実は見えてきません。
最近では、その傾向が色濃い事に気がつき、その事実を探る為に、クライアントさんにお願いをして名刺を作って頂き、営業現場に潜り込むようにしています。
その商品を売るために最適なメッセージが発信されているか。
クロージングに向かって商談が流れて行く為に、必要な武器は用意さているか。
そもそも、その商品は売れるコンセプトに仕上がっているのか。
など、自問自答しながら、商談を観察させてもらっているのですが……
会議室で聞く「営業マンの言葉」と、実際の商談で聞く「営業マンの言葉」がまったく一緒でも、意味合いがまったく変わることがあります。
これは、社長やマネージャーが捉えていた現実と、現場に大きな乖離が生じてしまっているのが原因です。
「商談の断り文句がいつも一緒だ…営業の応酬話法が出来ていないから決まらないのだ…」
と社長から現状を伺い、確かにその可能性はある…と思って現場に入りこんでみたところ…。
明らかに、コチラ側の提案に無理難題があることが明白になるケースもあります。
会議室でも聞いていましたが、「欲しいけど買えない…」という叫び声としては、伝わっていなかったのです。
詳しいことは秘密保持契約の関係上お伝えできないのですが、このケースでは「欲しい、欲しくない」以前の問題であって、対象市場が文化的に受け入れがたい事情があったのです。
例えば…男性に向かって
「スカートをはきませんか? 涼しいですし、トイレにも行きやすい」と合理性を歌ったところで、文化的に受け入れがたいのと一緒です。
中には「いいですね!」とスカートを履いてくれる男性もいるかも知れませんし、既に新宿二丁目あたりには、提案しなくても履いている人もいるかも知れません。
でも明らかに、普及しそうもない市場…つまり広がりのない市場で戦うのはムダです。
「市場を絞ることは大切です」
と私がセミナー等でお話しているので、責任を感じましたが…。
「広がる絞り方」と「広がらない絞り方」があるのです。
男性にスカートをそのまま売っても広がりません。
どうすれば、広がる市場にリメイクできるのか…。
商品そのものから発信される「メッセージ」を変える必要があるかも知れません。
市場のくくり方を工夫する必要があるかも知れません。
場合によっては、まったく別商品に仕立て上げる必要があるかも知れません。
いずれにせよ、事実を知ること、現在地を知る事が大事です。
そのすべては、現場にあります。
管理職である皆さんは、会議室で現状を掌握していますか?
それとも現場で五感をフル活動させて事実を掌握しようしていますか?
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