とことん「本質追求」コラム第660話 生成AI時代のWeb戦略|LLMO対策していますか?

「LLMO?また聞きなれない言葉が出てきましたね(笑)。AI時代に対応した新たなWeb最適化手段といったところでしょうか?」

弊社のWeb制作を担当しているクリエイターさんにお願いした仕事に対して、「また変な依頼がきましたね」と苦笑混じりの返答がきました。

このやりとりには、見逃せない示唆が含まれているため、本コラムで共有したいと思います。

コンサルティング現場にいくと、Web制作やマーケティング周りを一任しているケースが多いのですが、注意が必要です。

Web制作会社は、あくまでも「制作会社」です。
決して、営業やマーケティングに精通しているとは限りません。
それどころか、苦手意識を持っている人が多いのが実情です。

もちろん、専門知識を持っている制作会社もあります。
しかし、多くのケースでは一任に値する制作会社は、超レアケースです。

そのため、Webでの集客や売上向上を少しでも期待するなら、自社で専門知識を持つか、またはセカンドオピニオンを導入することが必要です。

特に、2025年以降はWeb周りが大きく動く時なので、変化を怠れば売上が減少しかねません。
生成AIが広く深く社会に浸透していくためです

冒頭の「LLMO」は、そのような時代の変化に適応していくために、最低限やらなければならない施策です。

LLMOとは、大規模言語モデル(Large Language Model)に自社サイトを最適化(Optimization)するための施策です。

平たく言うと「生成AIに、自社の商品やサービス」を覚えてもらうための対策」とも言えます。

現在は、Googleの検索結果に対して、自社サイトを優先的に上位表示させることに注力することが「Webサイトからの問い合わせや購入を増やす」ための重要な施策として認識されています。
いわゆる「SEO(Search Engine Optimization)」と言われる対策です。

サーチエンジン(Search Engine)は、Googleが世界シェア90%前後を獲得しています。
しかし、今後は、従来のSEO対策だけではポジションが取れなくなります。

なぜなら、生成AIを活用する人たちが爆増していくからです。

細かい話は、ここでは割愛します。
それでも「SEO対策」だけでなく、早急に「LLMO対策」を施す必要がある!ということだけは覚えておいてください。

付け加えて、重要なポイントが2つ解説しておく必要があります。

1つは、ユーザーが「AIと対話しながら情報にリーチするため、売り手の言葉でなく、買い手の言葉でWebサイトを構築する」ということ。

これは、先週のコラムで取り上げたテーマなので、読み逃してしまった方は是非ご覧ください。
(先週のコラム▶︎第659話 AI時代で売上を伸ばす企業の条件


2つ目は、生成AIのアウトプットパターンを学習しておくことです。

AIを含むコンピュータシステムは、インプット(入力値)→プログラム(処理)→アウトプット(出力)という3つの要素で成り立っています。

インプット(入力値)は、前述の「LLMO」です。
これは、大規模言語モデル(生成AIの学習に必要な情報)に自社サイトの内容を記録してもらうための施策でしたね。

プログラム(処理)は、「買い手の言葉でWebサイトを構築すること」と密接に関係しています。
生成AIが行う処理そのものを人間が直接コントロールすることはできませんが、処理の「前提条件」を適切に整えなければ、AIの処理対象から外れてしまいます。
ユーザーが「知りたいこと」や「困ったこと」をインプットして、生成AIが、回答を考えます。
このとき、知りたいことと回答が紐づいていなければなりません。
つまり買い手の言葉と紐づいていなければ、生成AIが出力する回答の候補に上がらないことを意味しているのです。

そして、最後にユーザーに回答するステージが、アウトプット(出力)になります。

このアウトプットは、検索エンジン時代とは、異なる対策が必要になります。

要な概念なので、もう少し掘り下げておきます。


検索エンジン時代は、ユーザーが検索窓に入力する特定の単語やフレーズに対して、自社サイトが適切にマッチするよう、SEOを施し、検索結果の上位に表示されることを目指していました。

しかし、生成AIの時代になると、単なるキーワードマッチではなく、「ユーザーの意図を的確に反映した情報」が求められます。

つまり、単なる商品紹介の世界からの脱却が要求されるのです。
商品がお客様にとってどう役立つか。
どのような利益を創出するのかーなど、
ユーザーの課題を解決する「文脈の表現」が必要になってくるのです。

今や、ホームページは見込み客を集め、商談の場へと導く重要なセールスプロセスを担うようになっています。
御社も例外ではないと思います。

彗星のごとく現れたChatGPTが日本で正式に利用可能になったのは、2022年11月30日です。
公開から5日で100万人のユーザーを獲得し、爆発的な普及スピードを見せたことは、記憶に新しいと思います。
その後、画像系、動画系、言語系でも雨後の筍のように増え続けています。

社会に広く深く浸透する中、生成AI対応型のWebサイトの再構築は、喫緊のテーマとなります。
御社は、すでにLLMO対策を始めていますか?


追伸
WordPressをご利用の方は、プラグインの設置だけでLLMO対策が可能です。

1. Website LLMs.txt
2. Yoast SEO
3. Rank Math

取り急ぎ、いずれか相性のよいプラグインを自社のWebサイトを制作している方に相談の上導入されることを強くオススメします。