「すごい確率で問い合わせが来ました!」
先日、クライアント企業さんの出したダイレクトメール(DM)が、高い反応率を上げました。
通常、ダイレクトメールの反応率は0.1〜0.3%程度。
つまり1000件郵便を出して1〜3件の反応が戻ってくる…という確率です。
もちろん、「リストの質」「商品の性質」「DMの作り込み方」「コンタクト障壁の高低(購入、資料請求など)」など、様々な要素で反応率は変わってくるものです。
ところが、そのクライアントさんは、最初から反応率を下げる「痛手」を踏んでしまっていました。
最重要要素である「リストの質」に大きな欠点があったのです。
リストは帝国データーバンクから購入したのですが、「個人名」が書いておらず、企業名と担当部署しか書いていない…
これでは、DMを読んでほしいキーマンに届く確率が激減してしまいます。
あなたの自宅や会社にもDMが届くと思いますが、「御中」や「宛名なし」のDMを開封するでしょうか?
普通で考えると開封しないハズです。
なので、何とか1件、1件電話をかけてでも個人名を調査し、その上でDMを出すべきです…とお伝えしたのですが「宛名打ちされたタックシール」を購入したので、とりあえずはこれで出す……となってしまったのです。
DMには基本的に4つの壁が存在します。
1.開封しない…という壁
2.チラシ全部読み込んでくれない
3.書いてあるセールスアピールを信じてくれない
4.そして購入や資料請求など行動に移してくれない
…という4つの壁をぶち抜いていかないと「反応」は取れないのです。
この4つの壁をぶち抜くだけでも脳みそがスカスカになるほど考えなくてはいけないのに、リストの質(これは最重要要素です)が悪いとなると結果に期待することは出来ません。
しかも、最初に出すDMは500件。
通常の反応率が1000件に1〜3件なので、これでは「反応率」の計測のしようがありません。
「これでは結果に期待はできませんよ…」とお伝えしていたのですが…
なんと!定期訪問時にDMの報告会を伺うと8件もの問い合わせが来ていたと言うではありませんか!
しかも超有名企業からの引き合いも入っています。
500件弱DM総数から8件の問い合わせを獲得しているので、反応率にして3倍。平均的に見積もれば10倍以上の効果をあげた結果となったのです。
これが「個人名まで記載されたDM」だったら何件の反応が帰ってきたのだろうか…
と考えるだけでゾクゾクしてきました。
(もちろん、テスト成功なので次回は宛名を調査し、アクセルを踏み込みます)
ちなみに、なぜ通常の数倍にものぼる効果があったかと言うと…
DMの反応率を上げる原理原則—「4つの壁」を突破できる創意工夫が徹底して織り込まれていたからです。
手前味噌ではありますが、そのDMの構造は、私自身が作り込んでいるセミナーのダイレクトメールとまったく同じでした。
最初、クライアント企業さんの担当者が作ってきたのを拝見したときには、思わず笑ってしまいましたが、構造を見事に見抜いて、自社の商品に見事に置き換えられて作り込んでいたのです。
これは、帰納法という論理的思考から導き出しているのですが、こういったモノマネの仕方は、極めて高い確率で結果に繋げる事ができるのです。
さすが、理系大卒のご担当者……お見事なモノマネでした!
・なぜ藤冨のDM(事実)は、封筒に写真がついているのだろうか?
これは……4つの壁の内、開封しない対策(理論)なのだろう…。
・なぜ藤冨のDM(事実)は、タイトルが毎回変わっているのだろう?
これは、読まないという壁を突破しよう(理論)と試みているに違いない…。
・なぜ藤冨のDM(事実)は、顧客の事例が掲載されているのだろうか?
これは、信じないという壁を突破しよう(理論)としているに違いない…。
・なぜ藤冨のDMは、振込方法に工夫がされているのだろうか?
これは、行動しないという壁を突破しよう(理論)としているに違いない…。
こういった論理展開から「では、我が社の商品であれば、どのように作れば同じ効果を期待できるのか…」と、クリエイティブしていたのです。
クライアント企業さんは、社歴、信用、取引実績など企業として立派な会社ですので、さらに反応率に好影響を与えました。
しっかり「成功する構造」を見抜いたモノマネは、成功確率を飛躍的にあげるものなのです。
「なかなか結果に結びつかなくて…」という会社に限って、表面のモノマネばかりをしています。
戦術・戦略づくりには、モノマネは欠かせません。
ロールモデル(成功モデル)があった方が、未来の確実性が増すからです。
しかし、それはあくまでも「構造」の話です。
表面的なモノマネで成功するほど、世の中甘くはありません。
御社の戦術・戦略づくりは…しっかりと構造を見抜いたモノマネ上手になっていますでしょうか?