「弊社では、現在WEB戦略を充実させることを検討しています。ランディングページを制作するメリットは弊社にあるか?ランディングページよりもHPをもっと充実させなければいけないのでは?など、社内で様々な意見が上がっていますが…仮にランディングページを作る方針を固めても、WEB制作業者に丸投げしてしまっては、中途半端な営業資料作成作業をしたかのように感じています。究極のところ、ランディングページはどのような計画性の元、取り組むべきでしょうか。」
先週、9年ほど前にプロジェクトをご一緒したクライアント企業さんから、超ご無沙汰のご相談メールが送信されていました。(私のメール誤送信がキッカケだったのですが…苦笑)
なんでも、私のコラムに同じような質問がないか…サイト内検索をしたけど、ドンピシャな回答がなかったとのこと。
即興の回答をお送りすると同時に、コラムで丁寧な解説をするお約束をしたので、今号で取り上げたいと思います。
そもそも、ホームページ(HP)とランディングページ(LP)は、制作する目的が異なります。
ホームページ(HP)の制作目的は、企業やブランドの概要を伝えるためにあります。
つまり、会社案内のデジタル版。
・どの様な企業か?
・どの様な歴史や実績のある会社か?
・どの様な商品を取り扱っているのか?
などを、紹介する目的で制作します。
一方、ランディングページ(LP)は、ユーザーが特定のアクションを起こすためにゴールへと誘導していくウェブページのことです。
ゴールは、商品の性質や顧客の質によって異なります。
「販売」「体験会の参加」「サンプル請求」「デモ機貸出」「導入可否の事前調査」であったり、商品の特性や消費者心理などを勘案しながら、最もゴールへの誘導しやすい策を練っていきます。
大原則として、ホームページと異なるのは、ゴールは「一つ」であることです。
ホームページには、「会社概要」「製品一覧」「技術紹介」「導入事例」など、様々なボタンが存在します。
閲覧者は、あれこれと興味の赴くままに、ボタンをクリックし、得たい情報を探索します。
かたや、ランディングページは、ボタンを存在させません。
閲覧ユーザーに対し、ゴールへと導かれるか、それとも離脱するか、の二者択一を迫るものなのです。
その構造の違いから考えると、ホームページの制作は「編集力」が求められ、ランディングページの制作には、「営業力」が要求されることが分かります。
従って、成果を出すランディングページは、2つのプロを採用する意識を持つことが大事。
第一フェーズは「的確なゴールを設計し、そのゴールへとスムーズに誘導できる営業トークの考案するプロ」
第二フェーズは「その営業トークを直感的にイメージできるイラスト、画像、デザインをクリエイティブできる編集のプロ」
この両輪が噛み合って、初めて成果の出るラインディングページが出来上がります。
藤冨は、現在のコンサルティング事業を始める前に、運転免許の再取得マニュアルを作成し、それをラインディングページで販売したことがあります。
その経験を踏まえて、さらにお伝えすると、ランディングページを制作する上での3つのマインドセットが、成否を分けていると断言できます。
1つ目は、ランディングページ は、24時間365日休まず働くセールスマンと捉えること。
2つ目が、見込客になり得る人々を、ランディングページに大量に集客すること。
3つ目が、ランディングページ は作るものではなく、育成するものである…という意識を強く持つこと。
この3つです。
すべて投資マインドと密接に関係しています。
この投資マインドを理解していないと、ただ作っただけ…で終わってしまいます。
制作コストをドブに捨てたようなランディングページが、検索エンジン上では死屍累々と転がっていますが、その原因は、3つのマインドセットのいずれか…またはすべてが欠けているためです。
これからランディングページを作ろうとする企業には、ぜひ抑えてもらいたいポイントです。
1つ目のマインドセット「24時間365日休まず働くセールスマンと捉える」を意識することは、制作コストに関係していきます。
1ページもののホームページを作る…という意識だと、制作コストの平均相場は、10〜20万円程度になります。しかし、優秀なセールスマンを雇い入れる…という意識を持つならば、投資の相場はいくらくらいになるでしょうか?
リクルート費用、給与、福利厚生費、交通費、消耗・備品… 投資額は甚大になるはずです。人件費までは行かなくても、本気で成果を出すランディングページを制作しよう!と思うならば、有望かつ休まず働くセールスマンを採用する!という意識を持つことが大切です。
2つ目のマインドセットは「ランディングページへの集客」を意識する、ということです。
考えてみればアタリマエのことですが、大海原に存在する「小島」のようなランディングページに上陸してもらうためには、宣伝が必要になります。
あそこにいくと、こんなに美しい海で泳げる!とか、魅力的な宣言なくして、誰も小島を見つけることができません。
集客への投資と努力を惜しまないことが大前提で、ランディングページの制作に取り掛かることが大切です。
3つ目のマインドセット「完成したら終了…ではなく、ランディングページは”育成”するものである」という意識を強く持つことが大事です。
育成のポイントも3つ。
1つ目は、魅力化。2つ目が信用力。3つ目がクロージング力です。
魅力化は、キャッチコピーとスリップイン(文書を読ませるテクニック)がカギを握ります。
キャッチコピーを変更しただけで、最高で4倍にまで売上が伸びた経験をしています。
キャッチコピーは、最低でも100。出来れば1000以上考案し、潜在客が夜も眠れないほど気になるフックをかけることが、大切です。
2つ目は、営業トークの担保です。
推奨者やお客様の声の出し方と提示するタイミングが重要です。
3つ目のクロージング力は、カート廃棄率といって、申込ページには遷移したけど、実際に申し込まなかった率は50%程度(ダメなサイトは80%)存在するのが一般的なのですが、このカート廃棄率を引き上げるだけで、売上は簡単に2倍、3倍に引き上げることができるので、どう背中を押すか?という企画力が、非常に重要なポイントとなります。
ランディングページを作るのは、商品知識、顧客知識、購買心理の知識を融合させる必要があるので、簡単な取り組みではありません。
しかし、本気でこの難行苦行に取り組む覚悟があれば、自社に24時間365日休まず働く営業マンを雇用することができます。
御社ではランディングページを制作していますか?そのランディングページは、成果を出し続けていますか?