とことん「本質追求」コラム第526話 絶対的価値基準が「ブランド」をつくりあげる!

 

『今日のメルマガでは、相対的価値観で対比させる方がわかりやすいって、言っていたのに、個人的には、相対的価値観はナンセンスと思っている…って、どう言うことでしょうか?』

 

仲の良い社長から、先週のメルマガにツッコミが入りました。
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ご指摘の通り、言葉足らずでしたね。
なので、本号コラムで補足することにします。

 全く新しい切り口の新商品・サービスを顧客に認知してもらう際、これまでの習慣を否定し、新しいアイデアの優位性を提示することは、とても有効な手段となります。

 

平たく言うと「おっ、すごい!!これまでより素晴らしい!」と感じてもらうことは、新商品を購入してもらうためのトリガーになるわけです。

しかし、これは新商品やサービスを売り出す時の話であって、存在意義の確立を目指すときは、何かと比較する「相対的価値観」は謳わない方が無難です。

個人的には…と書いたのは、藤冨の今のミッションは、存在意義の確立が重要だと感じているからです。

もちろん、商品・サービスを売り出すときには、相対的価値観を意識します。

しかし、同時に絶対的価値観を強く意識していないと、浮き草のような存在になることを危惧し、注意しています。

 

そもそも我々の会社は「あそこの会社とは違う!」などと、存在意義の比較は、日本人には好まれません。

 

つまり、「短期的な成果を素早く出すには”相対的価値観”」を利用すること。

そして、存在意義を確立し、「長期的な成果を出すためには”絶対的価値観”」を中心軸に「市場との対話」をした方が良いわけです。

その理由について、これからお話ししましょう。

 

新商品・サービスは、資金的な制約の範囲で「成果」を出す必要があります。
つまり、資金計画に基づいたスピード感が要求されるわけです。
もちろん「存在意義の確立」にスピード感はいらない…と言っているわけではありません。

 しかし、あまり存在意義の確立に急ぎすぎると、そもそもの目標が達成しづらいのです。

本来、「存在価値」というのは、「言っていること」「やっていること」の結果として、他社が評価するものです。

 

決して、我々の存在価値は!と、声高々にいうべきものではないわけです。

 そう考えると、相対的価値観を前面に打ち出して「市場と対話」する必要性がないことが分かります。

 絶対的な価値観を持って、理想の存在価値を掲げ、それに向かって努力をしている….。
その姿勢を見た評価が、「真の存在価値」であり「存在意義」なのです。

理想の世界を成し遂げたい!と願うのが、本来の事業のあり方です。

競争を仕掛け、他者を蹴落とし、自分の価値を高めようとするのは、法人・個人問わずとも社会からは歓迎されません。

理想の目標を掲げ、自分との戦いに勝った勝者が「存在意義」を祭り上げられるわけです。

どんなヒーロー映画においても、王道のシナリオです。

戦争などにおいては、勝者が敗者から金品(権利)を収奪し、自己利益主眼の行動から引き起こされています。

これについては、専門家ではないので、良し悪しを評価することは出来かねます。

ただ、個人的な見解を言えば、なんとも時代遅れなことを…としか、目に映りません。

少なくても、ビジネスにおける「競争」とは、勝者を称え、敗者を葬る概念ではないはずです。

本来の「競争」の目的とは、切磋琢磨をする中で、知恵と技能の相互上達を図ることで、社会に「富」を還元することだと、藤冨は信じて疑いません。

他者と戦わずに、理想を掲げた未来の自分(会社)になるために、自分と戦うことが、長期的な成長に結びつく

これは、京セラの創業者である稲盛氏を筆頭に、戦後の日本を牽引してきた経済界のトップが口を揃えて言っていることです。


存在意義を確立させるためには、絶対価値基準の中で、孤高の戦いが強いられます。

藤冨が20代の頃に、とある成功者から聞いた「成功のサンカク」という言葉は、その孤高の戦いをする上で、頼もしい支えになります。

30年たった今、それを強く感じ入ります。

 成功のサンカク」とは…

・汗をかく
・紙にかく
・恥をかく

の3つの「カク」です。

 

汗をかくは、文字通り、汗水垂らして「行動」すること

紙に書は、自分の考えを紙に書き出すこと。頭の中で悶々と考えていると堂々巡りに陥りがちですが、アウトプットすると、自分の考えの矛盾に気付いたりして、整理がついていきます。言い換えると「頭に汗」をかけ!ということです。

恥をかくは、失敗を恐れずにとことんトライしろ!ということ
新しいチャレンジには失敗はつきもの。他人というは、そもそも自分にしか興味がありません。
失敗して恥ずかしい…と思うことほど、他人はあなたに興味関心を抱いていません。

自意識過剰は、トライを妨げるだけで、百害あって一理なし。

何度もトライして、結果「成功」した時には、周りは評価してくれるのですから、「必ずやり遂げる!」という信念だけがあれば良い!

そうゆう教えだったと、理解しています。

成功のサンカクは、絶対価値基準を作る上での、大事な教えが示唆されていました。 

絶対的価値観に基づく、存在価値は、結果としての「アイデンティティ」を築き上げます。

SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」の歌詞にも、「もともと特別なOnly one」と歌われています。

存在とは、そもそもが「絶対的」なのです。

 

「アイデンティティ」を貫き、そのアイデンティティに好意を持ってくれる人が増えてくると、それが「ブランド」へと昇華していきます。

そもそも「ブランド」とは、顧客が受け取る「絶対的な世界観」だからです。

 

御社は、自社のアイデンティティを意識したことはあるでしょうか?