とことん「本質追求」コラム第489話 世界的な景気減退期が到来。御社の事業は?

 

 

「時代によって、売れるものが変わる。と言う指摘には激しく同意します。しかし、時代と言う意味で私たちは”進化”しているのですかね?」

 

先週末、ようやく緊急事態宣言も明けたので、クライアント企業の社長と久しぶりに一献交えながら会食をしてきました。

 

・コロナショック

・中国の恒大集団の資金繰り問題

・アメリカ政府のデフォルト懸念(債務上限がクリアされれば回避)

 

など、不安要素が連日新聞紙上を賑わすなか、世界経済は第二次世界大戦以来最悪の景気後退に直面していると「世界銀行」が発表しました。

 

冒頭の社長は、「このまま行けば戦争になるんじゃないか…、本気で心配になってきましたよ。なぜ政治家は歴史に学ばないのでしょうね…」と肩を落としていましたが…

例え、どのような未来が待ち受けていようとも、私たち一般人は、望まざる未来であっても、そのまま受け入れざるを得ません。

 

その時代、その時代に合わせて、生き延びる必要があります。

 

未来予測をしてもしようがないよ…と言う人達もたくさんいます。

 

「考えたって無駄だよ。なるようにしかならないさ」

「Xデーが来たら考えるさ。その時勝負だよ」

 

などなど、想像もつかない未来に対して、刹那的とも言える思考になるのも分かります。

 

しかし、事前に予測をしているのと、不意打ちを食らうのとでは、受けるダメージが格段に違います。

 

私の叔父は41歳の時にくも膜下出血で亡くなりました。

営業マンだった叔父は、長年追い続けた新規開拓先の受付で倒れ、そのまま後頭部を打撃。

一瞬の出来事によって、他界しました。

 

意識を失って、無防備に転倒すれば、少ない衝撃でも致命傷を負うことになります。

しかし「あっ危ない、倒れる!」と意識できれば、手を突くなり、体をひねるなり、瞬間的に脳があらゆる筋肉に指令を出し、防御体制を作ってくれます。

 

生死を分けるようなインパクトがある時こそ、「予知」と「防御」は必要になっていきます。

そして、経営者であれば、防御をした後の「立て直し」策も同時に立てておく必要があるでしょう。

 

酒席でも、そのような話に展開しました。

その中で、とても面白い視点の話になったので、皆様にもシェアしたいと思います。

 

冒頭の「人間は退化しているのでは?」と言う指摘です。

藤冨もまさにそう感じます。

 

例えば、産業革命は、身体能力の退化を助長させました。

 

江戸時代の徳川家は、各藩の軍事力を削ぐために「参勤交代」を強要しました。

薩摩藩の足軽たちなんて、1400km近くもの距離を歩いてこなければなりませんでした。

当然、足の筋肉は現代人とは比べ物にならないほど強靭だったでしょう。

 

女性だって、炊事、洗濯も、白物家電が登場する前は、大変な重労働でした。

必然的に日々の生活の中で「筋肉」を酷使していました。

 

しかし、車や鉄道、飛行機によって、足の筋肉を酷使しない環境を享受できる時代に。

洗濯機、食洗機、電子ジャーによって、家事労働の負担が激減しました。

 

誰が好き好んで、普段の生活の中で、「以前の不便」を選択するでしょうか?

 

結果的に「筋肉」を使わない生活環境になり、筋肉は退化していきました。

 

代わりに、「生活や労働」ではなく「趣味や健康維持」のために「運動そのもの」が産業化していきました。

 

運動することで脳が活性化されることもわかってきています。

普通の歩行でさえも、1000億個の脳細胞が活性化され、運動によって増える成長因子の働きでそれらを成長させることができるとのことです。

これにより、脳はより多くの新しい情報を取り入れることができると言われています。

 

つまり身体も脳も使えば使うほど活性化されるわけですが…。

 

記憶の必要性をなくした「スマホ」や「パソコン」の台頭。

また、考えること、調べ尽くすことの必要性を無くそうとしている「人工知能」などの出現は、確実に「脳」を退化させていくのは間違いありません。

 

生活が便利になればなるほど、人間の「筋力」も「能力」も退化していく。

皮肉ではありますが、これが現実です。

 

産業革命によって、筋力が退化した際、「スポーツ産業」が栄えたように、情報革命によって、能力が退化していく家庭で、今度は「能力産業」が栄えてくるのでしょうか。

 

今、何が起きているのか。

これから何が起きようとしているのか?

そして、それが我々のビジネスの最終顧客にどう影響してくるのか。

 

観察、考察、推察、洞察という4つの察する力をフル動員しながら、ビジネスに立ち向かっていく必要性を感じています。

 

御社のカスタマー(顧客)には、時代の変化がどう影響してくるでしょうか?