とことん「本質追求」コラム第83話 新規事業を成功させる土台づくり

新規事業が中々軌道に乗らないのです…。

仕事柄、よくよくこのようなご質問をお受けします。

セミナーにご参加頂く方の9割前後は同じ課題を抱え、同じように悩んでおられます。

軌道に乗らない原因は、それぞれ異なります。 
しかし、根っこには共通テーマが潜んでいます。 

それは「モノが売れる本質をついていない…」という事です。

多くの新規事業は、既存顧客に売り込むための新しいアイディア商品やサービスであったり、自社特有の技術から派生した新商品であったりします。

つまり、何かしらのシナジー効果が働くような新分野に挑むわけですが…。

ここにどうやら「思考停止」の原因が含まれているような気がしてなりません。

 

過去の成功体験にしがみつくのは良くないことだと頭では理解しているものの…

シナジーを働かせようとすると、どうしても過去の成功体験に思考が寄りかかってしまうものなのです。

これをズバリ表現すると「思考の怠慢」という事になるでしょう。

 

交通事故は、見知らぬ町よりも、通り慣れた町の方が発生確率は高いと言われています。

これも「思考の怠慢」が原因です。

注意を払わなくても、慣れた思考回路を使えば目的地までイケるため、甘えがでてしまうのです。

新規事業を成功させるのも、車を安全かつスピーディーに運転するのも、共通項があります。

それは、高い集中力でゴールを鮮明に意識することです。

これがどうもシナジーの働く分野でのトライとなると、行動が慎重なのに、思考は大胆であるケースが多いのを目の当たりにします。

シナジーが働く分野で、事業を成り立たせるのは決して間違っていません。 
いえ、紛れもない王道路線ですし、私も全面的に推奨します。

しかし、気持ちとしては全くの新規分野に出る覚悟で挑むことが大切なのです。 
全くの新規分野であれば、どんな不測の事象がでるかわかりません。

従って、細心の注意を払い、高い集中力をもって事に当たるようになります。

意思決定前は慎重に思考を重ね。 
意思決定後は大胆に行動する。

この心づもりが、新規事業を成功させるべースとなるのです。 

この心づもりなくして、本質を射抜く売れる発想は考えつかないのです。

もちろん、テクニック面でも「間接競合からのスイッチ戦略」や「直接競合との明確な対抗軸づくり」など、売上を着実にあげていくための作戦も非常に重要です。

ただ、土台なきところに家は立ちません。

新規事業を立ち上げるには、まずは「高い集中力と鮮明なゴール設定」が必要となるのです。

つまり、時間も金も人材も… 
ゴールに向けて集中投資することです。

ここに甘さが出ると、出せる結果も出せなくなります。

事業が思うように立ち上がらない…。 
もし、そう感じているのなら、どうすれば「高い集中力を得る事ができるか…」に、まずは焦点を合わせることが大切です。