とことん「本質追求」コラム第47話 【競争の本質】Googleグラス 対 アップルiWatch?

アップルが、iPhoneを見捨てる日は、もう時間の問題?

様々な憶測が飛び交っていますが『ウェアラブル端末』というカテゴリーが誕生しつつあり、グーグルはメガネ型(グーグルグラス)、アップルは腕時計型の多機能端末の開発計画を打ち出しています。

つい5年前に登場したiPhone。
そのお陰で市場は急成長して、今やスマホ市場は4割前後まで普及しているとの事。
来年中には、8000万件までスマホの契約台数が伸びると予想さているので、普及率は64%まで駆け上がり、成熟期に突入してしまいます。

成熟期は、儲かりにくい市場なので、いつまでも未練たらしく、しがみついていないでササッと新市場を創造しようぜ!
という感じです。

Be Daring (勇気を持て)
Be First  (誰よりも先に)
Be different(人と違った事をする)

ユニクロの柳井社長が、「マクドナルド-わが豊穣の人材」に書かれていたフレーズを「これこそ商売の真髄だ」と思って、手帳に書き留めた言葉を、思い出してしまいました。

しかし、今のように恐ろしいほどのスピードで市場が変化している時代は、競争の本質を見極めないと命取りになります。 

先日、この『ウェアラブル端末』に日本メーカーが参入した、という記事を見つけました。

グーグルグラスよりもデザイン性も操作性もよく、安価に発売する! というものです。 
確かに見た目はカッコイイし、持ち歩く事を考えたらグーグルグラスよりも良さそう!

商品単体で見れば、この日本メーカーはGoogleに勝つかも知れません。

しかし、紙面上を見る限り、競争の本質を明らかに見誤っています。
多くの戦略ミスというのは、表面上だけでしかモノゴトを見ていないために起こります。

アップルが腕時計型、Googleがメガネ型、だった当社は… 
と考えている限り、100%負けます。 
断言しましょう。
間違いなく飲み込まれます。

Googleはグーグルグラスなんて販売していません。 
いえ、表面上は販売しています。
でも、本質的に彼らはグーグルグラスを売って儲けようなんてサラサラ考えていません。 
(これは私の独断と偏見の仮説ですが、Googleのビジネスモデルを考える限り間違いありません)

グーグルグラスの仕様を見て「そうか…」と思ったのですが… Googleは、世界の企業の”目”となって、消費者に「監視装置」を配ろうとしています。

例えば、平日は接待の多いサラリーマン、休日はマイホームパパの中年男性が、このグーグルグラスを買ったとしましょう。

グーグルは「40歳の男性が、今(18時)に東京駅にいる。毎晩どこかで飲んでいるから、このタイミングで東京駅周辺の居酒屋の広告が”売れる”だろう」と判断してきます。

「週末は、観光地によく行くから、金曜日になったら観光地のホテルやレジャー施設の広告が”売れる”だろう」と判断してくるでしょう。 

当然、その中年男性の趣味嗜好に沿ったものだから、ジャストタイミングに興味のありそうな広告が出たら、思わず反応してしまう。

そう、反応率の高い、広告は高く売れるのです。

と言うことは、極端な話グーグルグラスなんて「タダ(無料)」でいいのです。 
でも、最初から「タダ配り」なんて排他的競争環境にしたら、市場が成長スピードが遅くなる。

1社で市場を創造する宣伝コストより、競合が参入してきて数社で宣伝活動した方が、圧倒的に市場の育成は早いのです。

だから、端末屋さんに見せかけて、機器を販売し、コンペティターを誘っている…と見るべきなのです。

市場が成長してきたら、一気に排他的な価格設定か、無料にして、競合を飲み込むのは、戦略発想から見れば、何ともアタリマエのストーリーです。

Googleは「端末」を進化させているのでない。
「広告ビジネス」(アドワーズ)を進化させているのです

競争の本質を見誤ると取り返しのつかない事になります。
今の時代 
「歯医者さん」対「美容整形外科」 
「化粧品メーカー」対「レジャー施設」 
「寝具メーカー」対「香料メーカー」
などなど、どの業界でも競争の軸をずらしながら、しのぎを削っている時代です。

うかうかしていたら、あっと言う間に飲み込まれてしまいます。

競争の本質はどこにあるのか…
逆に、この本質さえ見極めれば、まだまだ成長する市場、稼げる市場が作れそうです。

※※つぶやき※※ 
最近、コンサルティング先とのミーティングが楽しくて仕方ありません。
いろんな業界に首をツッコでいると、通底する「動き」が見えてくるのです。 

さぁ、明日も面白いミーティングになるよう、今から下ごしらえをします!