とことん「本質追求」コラム第446話 買い手を魅了する「自社の強み」の作り方

 

「自社の強みを打ち出してきたつもりですが、微妙にズレていましたね」

藤冨がコンサルティングで事業サポートを行う目的は「セールスマンの能力に依存しない”営業の武器”を作り上げること」です。

その武器を作り上げるために「強み」を明確にし、競合商品との差別的優位性を浮き彫りにすることが大事なのですが…

大多数の企業は、自社の「強み」を上手に表現しきれていません。
その原因は、自社の強みを、自社で考えているためです。

そもそも「強み」とは「他者から選ばれる理由」です。

 市場から「こんな満足を感じてみたかった」「こんなことを解決したかった」など【満足の拡大】または、不満や不安、不自由などの【不の解消】をカタチにしたものが商品です。

つまり商品が持つ「強み」とは、その【満足の拡大】や【不の解消】が、他の代替品(競合)よりも、優れているからこその「強み」なのです。 

いくら「私どもの強みは…」と説明したところで、お客様が「それは確かに”強み”だよね」と評価してくれなければ、見当違いの認識をしたまま事業を推進していることになりかねません。

 

自分たちで思っていた「強み」が、実は「真実の強み」ではなかった。 

この悲劇が、事業活動に与える影響は軽視できません。 

・広告宣伝費の無駄使い
・営業の人件費
・流通(販売協力者)からの信頼性の毀損
・営業ツールの製作費用や印刷コスト
・営業の旅費交通費 

など、強みを強みとして認識できていない事業活動の「ムダな流出コスト」は、ちゃんと算出すれば冷や汗が出るに違いありません。

コストだけではなく「ムダな時間」が何よりも「成長の機会」を失うでしょう。 

では、どうやって強みを明確にしていくのか。 

2015年に書いた「第164話 「強み」の見つけ方」では、経営の神様と呼ばれたドラッカー 氏が、強みの見つけ方は一つしかない「フィードバック分析」であるとの主張に疑問を呈する3つの理由を書きました。

要約すると「自己分析には限界がある」と言う藤冨の主張です。 当たり前のことですが、商売はお客様があって成り立つものです。

 

お客様に自社商品の魅力を伝え、買って頂き、使ってもらって満足する。

この一点の曇りもない現実を直視すると、「強みは自社だけで掌握できないのでは?」と思いませんか?

なぜなら、売り手と買い手の接点は「魅力を伝え、買ってもらう」ところまでです。

勘違いしやすいのは、売り手は「魅力がわかったから買ってもらった」と言う認識だけが残りがちになると言うことです。

買った後に、使って見たら意外なところで満足してしまった!と言う経験があなたにもあるはずです。

例えば、

「軽い靴です」と営業され、それなら…とポンと購入したトップアスリートがいたとしましょう。

トップアスリートは、自分のタイムを縮めるのに「靴」の見直しはあるだろうな、と元々気付いていたとしましょう。

もともと気がついているからこそ「軽い靴」を購入してタイム出しにトライしてみよう!と感じることができたのです。

しかし、学生のサークル程度の運動好きの人たちが、「靴が軽い」だけで売れるでしょうか?おそらくタイムを縮めることに、そこまで命を削っていないでしょうから、「軽い=タイムが縮まる」と言うイメージ連想ができる人は少ないはずです。

 

今売れている厚底シューズもそうですね。

先日マラソン好きな友人が「タイムが10分縮まる靴」を「効果が実感できる」と高評価をしていました。

それなら「タイムを縮めたいアスリート」たちから支持されることは容易にイメージが付きます。 

しかし、価格のハードルも高い。
5〜6万円もする高価なスニーカーですから「参加することに意義がある!」「タイム?気にしてないですよ。健康のために走っていますから」という認識のランナーは、手を出さないでしょう。

 

同スニーカーのキャッチコピーにある「記録的なスピードへ の道を切り開く一足」を求めているランナーに刺さる商品なのです。

 

ここで「強み」という観点から、もう一度俯瞰してみましょう。

お客様は、厚底であろうが、軽量化であろうが、関係ありません。
「記録的なスピード」が欲しいのです。 

厚底軽量化を「強み」だと認識しているメーカーと、「記録的なスピードが欲しい」お客さんの認識が「微妙に」ずれているわけです。

もちろんメーカー側だって、そんなのは百も承知でしょう。

「記録的なスピードを出すために、厚底軽量化を開発しているのだ!」と。

微妙なズレですし、言われなくてもわかるでしょ?って、レベルに思われるかも知れません。

しかし、あえて本コラムでお伝えしたかったのは自社の強みは、お客様が”欲しい”という認識が持てる言葉で表現して欲しい!」ということなのです。

抽象的な言葉。
商品の機能、性能。

では、お客様が「欲しい」に変換できるほど、情報処理ができていないケースが意外にも多いのです。

  

靴だとイメージしやすいですが、こんなコンサルティング現場がありました。

「軽量化されたステンレス製ボックス」を作る技術を持っている会社なのですが、強みは?と伺うと「軽い」しか出てこないのです。 

競合商品のサイトを見ても、同様に「軽い」を謳っています。少し良くできたサイトでも「錆びない」くらいを付け加えたメッセージくらいでしょうか。 

それでも、私のクライアントさんは、競合他社より20%も軽量化できているというのです。
比較広告になるために、表現することはできませんが、絶対的な自信を持っていました。


でも、表現できなければ「強み」がないのと一緒です。
このままでは企業努力が報われません。

 

そこで、同社のクライアントに行って「軽い」がどのような「メリット(効用)」を御社にもたらしているのか? 実際の購入者にヒアリングしてみると…

 山頂に設置する通信アンテナのボックスに利用していたそうなのですが、運搬コストが2割も下がった!というのです。

「軽い」という機能が、「運搬コストを2割下げる」という効用に変わり、競合他社との「明快な差」が浮き彫りになる「強み」に変わった瞬間です。

作り手や売り手は、お客様のために…と懸命に性能アップや機能の工夫を凝らしています。
競合他社に負けないように、懸命に「強み」を磨くための努力をしているはずです。 

それでも、お客様に伝わらなければ、購買欲求はわき起こりません。
本当の強みを見つけたいのなら、お客様が発する言葉に着眼すべきです。 

御社は、お客様の目線・言葉で、自社の「強み」を伝えることができますか?

 

 

【コラム更新しました】

 

《 第446話 買い手を魅了する「自社の強み」の作り方 》 

 

続きはこちらから → 

 

■ちょっと一言?============================

 

先日、アメリカで仕事をした経験のある社長との会食したのですが、衝撃的なこと

を教えてくれました。

 

今でもアメリカの友人とフェイスブックのメッセンジャーで交流しているそうです

が、バイデン氏がいかさま選挙(?)をしているエビデンスを送っていたら、なん

と該当情報が勝手に削除され、最後にはアカウントが停止されてしまったとのこと

でした。

 

アメリカでも情報統制が起きているのでしょうかね?

 

いずれにせよ、真の情報というのは、こちらから意識して取りに行かないと入って

きません。

テレビや新聞などの情報も良いのですが、情報に対して「受け身」の態度ではなく

こちらから取りにいく!という「攻め」の態度が大切です。

 

今日のコラムも、自社の強みを攻めの態度でとりにいく必要性について書いてみま

した。

 

欲しい情報は、積極的に獲得しにいく。

ぜひ、本日のコラムからも自社の成長アイディアを取りに行ってください。