中世ヨーロッパでは、風呂に入ると「梅毒」に感染する・・・と信じられ、風呂に入る習慣がなかったそうです。
そのため、もともとは死者の腐敗臭を消すため作られた香料をつけ、体臭消しとして「香水」が普及しました。
今では「エチケット」としての利用目的だけでなく「リラックス効果」や「自己高揚」「気分転換」「魅力アップ」などなど、さまざまな動機やニーズを背景に「香水」が使われていますが・・・
街中を歩いていて
「ひのきの香りワイシャツ」
という看板が目に飛び込み、ワイシャツまでに香りをつけるのか・・・と、驚いてしまいました。
と同時に、これは「販路開拓」の可能性を秘めた、スゴク面白い取り組みだと、興味深く感じた次第です。
と、いうのも、香料メーカーにとっては、新しい販路開拓のチャンスかも知れない! そう感じたのです。
香料メーカーの販路して想像できるのは、「化粧品メーカー」とか、石鹸・洗剤を扱う「トイレタリーメーカー」とか・・・
競合がひしめき合い価格競争やイノベーション競争で、知力・体力の消耗戦が繰り広げられていることが目に浮かびます。
しかし、少し視点をずらすと確かなニーズが存在しているにも関わらず、ライバル企業が見向きもしていない「無競争マーケット」を発見することができます。
クリーニング店のマーケットなんかは、まさにその可能性を秘めています。
例えば、「ふとんの丸洗い」であれば、安眠効果やリラクゼーション効果をもたらす香料。
安眠市場を見渡すと「お医者さん(睡眠薬)」や「睡眠グッズのメーカー」など、さまざまなプレイヤーがいますから、充分に戦う余地はあります。
ワイシャツだって「ひのき」はよくわかりませんが・・・
・落ち着いて仕事したい人用に「鎮静効果のある香料」が提案できたり
・パワフルに活動したい人には「アドレナリンが分泌するような香料」を提案したり
と、最終消費者が、「それ欲しかったんだよ」という「気付き」を与えるようなアプローチができます。
もし、事業化に成功すれば、3者両得です。
最終消費者は、快適な生活や生産性の高い仕事環境が実現でき。
流通経路であるクリーニング店は、集客効果や単価アップ、来店頻度アップが実現でき。
売り手である香料メーカーは、無競争マーケットで先行者利益を享受することが出来ます。
そのためにも、まずはクリーニング業界でベンチマークされているような影響力のある企業を口説き落とさなくてはなりません。
「他の商品に匂いが移ってしまう」「現有設備では対応できない」「そもそも売れるのか」などなど、様々な課題をクリアしなくてはいけないでしょう。
しかし課題があるからこそ、参入障壁を作れるのです。
新しい販路で、影響力のある企業と商談をする際、抑えるべき要所はたくさん有りますが、最も大切なのは「一緒に事業を成功させましょう」という関係性を築くことです。
その関係性が構築できれば、課題は必ず解決できます。
そのためにも、無競争マーケットが見つかったら、いの一番に「想定顧客」にアプローチをして事業の可能性を探ってみてください。
事業化にあったっての課題や最終顧客層のニーズ、関連商品の有無、想定市場規模などを徹底的に掘り起こし、自社の「打ち手」を用意するのです。
「打ち手」の準備し、影響力のある企業との取引が見事成功すれば、その実績をもとに同業他企業を一気に開拓できます。
そうなれば、自社の「独壇市場」が形成され、潤沢な利益を得ることができます。
どのような業界にも「無競争マーケット」は眠っています。
無競争マーケットは、様々な可能性を、考えうる限りピックアップすることから始まります。
普段の生活の中での気づき、最終消費者の購買行動、流通経路のニーズなどを総動員して、多角的、俯瞰的に見ることで、可能性のある市場が見つかります。
もし、当社にとっての「無競争マーケット」を真剣に掘り当てたい・・・ というのであれば、ぜひご相談ください。
過去、様々な業界で、独自のマーケットを切り開いた経験をもとに、御社の無競争マーケットの創出のお手伝いをさせて頂きます。