とことん「本質追求」コラム第430話 2021年以降、成長するビジネス分野とは

 

 

「世界を震撼させたコロナ騒動は”必要悪”だったのかも知れない」

 

不謹慎な発言に聞こえるかも知れませんが、5年後10年後には、学識経験者や感度の良い人達の間では、そう認識されている可能性を感じています。

 

なぜ、そんな仮説が立てられるのか?

 

とことん本質追求コラムを愛読してくれている方はご存知ですが、藤冨は昨年の夏くらいから、大きな時代の変化が来ると言い続けてきました。

 

私のような職業で、予測を間違えれば、あっという間に信用を失います。

下手をすれば、干されてしまう仕事も出てきます。

したがって、自分の中で確信の持てることしか、コラムなどの公開文書ではお伝えしません。

 

各種データを見る限り、経済が悲鳴をあげていたこと

テクノロジーの進化は、時代をドラスティックに変えるパワーを持っていること

 

この2つの要素を感じて、昨年から不況を予測していました。

もちろん、コロナのような衝撃がトリガーになるとは想像だにしませんでした。

 

しかし、コロナがトリガーにならなくても、結果的に不況は来ていたハズです。

いえ、不況と呼ぶのは適切ではありません。

時代の転換期と呼ぶのが適切でしょう。

 

その論拠は、昨年のコラムにも書いていました。

2019年7月23日付の「第374話 和暦が変わってから3年以内に大きな時代の変化が起きていた?」https://www.j-ioc.com/wp2024/column/6438/です。

 

この中では、2021年以降に成長するビジネス分野のヒントの輪郭をお伝えしていました。

 

一部抜粋してみましょう。

 

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このように、よくよく振り返ると「和暦」が変わってから2〜3年の間に、全国民を巻き込むような、時代の大転換となる「イベント」が起きていたことに気づかされます。

しかも、すべて突発的に起きたイベントではありません。

その前から小さな変化の波が押し寄せていて、ついに大波がやってきた!という出来事ばかりです。

 

そう考えると今年の5月から変わった「令和」では何が起こるのでしょうか?

今足元で見つめることができる小さな波を見ると、その大転換の予兆が予想できるはずです。

 

・キャッシュレス化の波。(正確にはブロックチェーン技術の進展)

・見え隠れしている構造的大不況を感じる世界的な債務の膨張の波。

・人工知能やIoT などによる「生産性向上革命」の波。

・先進国の急速な人口動態の変化の波。

・国境、言語、貨幣などの壁を溶かす本丸のグローバル化の進展への波。

 

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とコロナが来ようが来なかろうが、結果的には構造的な変化の波は押し寄せていたわけです。

 

ただ、コロナはあまりにもインパクトが強いため、これらの変化を加速させる可能性があります。

いえ、可能性ではなく、間違いなく加速させます。

 

そう言い切れるのは、私たち一般生活者の「常識」が180度変わろうとしているからです。

常識が180度変わったら、新しい常識に対応した「商品・サービス」が必要になります。

 

この構造的な変化がもたらすビジネスチャンスの具体的な仮説を立てていきましょう。

 

 

■破壊された雇用

総務省の統計をみると2020年6月の段階で「完全失業者数は195万人。前年同月に比べ33万人の増加。5か月連続の増加」と発表されました。

中小企業を中心に補助金のバラマキ政策を実施中にも関わらず、失業率は増加傾向。

本格的な第二波、第三波が来たら戦後最悪の失業率になるかも知れません。

 

雇用が崩壊されれば…

個人が生き残っていくために必要な「生活、ビジネス」のノウハウ提供事業

Uberなどに代表される「新しい雇用形態」を提供する事業モデル

 

平たく言えば、食っていくために必要なサービスが次なる成長分野のヒントになるでしょう。

 

■組織から切り離された労働者

テレワークなど会社に通勤しない雇用形態や遠隔サービスなどの進展により、人と人との繋がりが切り離されるのは、コロナ禍にある今だけではありません。

今回の緊急事態宣言を経て、経営者、経営幹部は学習してしまったのです。

別に出社しなくても、ビジネスの品質はある程度維持できる…と。

 

在宅勤務やオンラインによるサービス提供会社が増えてくると、様々な歪みや弊害が生じてくるハズです。

通勤しないために、運動不足の人が増加

狭い住宅でいかに快適に仕事と生活を両立させるか

そもそも無機質な都会で生活する必要があるのか?人間性を回復させるべきではないか?

朝、昼、晩…様々な場面で感じる孤独を解消することはできないか

組織からの適切な評価システム、その評価を受ける側の新しい課題

より快適にオンラインで会社や社会と繋がることはできないか

 

 

平たく言えば、物理的に仕事と生活が一体化された環境をいかに快適に過ごせるか?
そして、孤独になりがちな個人が、自己承認や尊厳の欲求を満たすことのできる商品・サービスが求められてくるでしょう。

 

 

■戦後最大になるであろう国民所得の落ち込み

短期〜中期的には、失業率が上昇し、かつ切り離された個人の所得が低下していくことは間違いなさそうです。

となると潜在的購買力が減ります。

財布の紐を固く締めざるを得ない状況の人たちが増えてくると、それをマスコミが深刻そうに取り上げ、さらに不況色が蔓延していきます。

しかし、何千億のビジネスを展開している大企業はいざ知らず、数億、数十億クラスの中小企業であれば、国民が財布の紐を締めてもチャンスは転がっています。

財布の紐を締め上げれば、同時にストレスも高まるからです。

安価に発散できるストレス解消商品・サービス

運命が変わる…などバブル崩壊時に流行したパワーストーンのような、運命を委ねる商品やサービス

 

など、簡単、安価、手間いらずで、快楽に浸れるまたは快の状態を取り戻せる商品・サービスが指示されることも間違いない分野でしょう。

 

■テクノロジーのさらなる進展

AI、自動化ロボット、バーチャルリアリティ(VR)など、ちょびちょびと生活に入り込みつつある新技術が一気に浸透してくる可能性が大です。

我が社は、最新テクノロジーを使える人材もいないし、ノウハウもない…と諦める必要はありません。

今は、クラウドワークスなどを筆頭に、技術を持った個人と組織を繋げるサービスが浸透しています。

自社の事業分野にAI、VR、ロボットを取りれたらどうなるか?

例えば、保守サービス会社が、VR技術を駆使して、知識や技術のないど素人を保守要員にしてしまい、迅速な問題解決サービス体制を構築するなどを考えることができます。

固定費を引き下げ、サービス力が向上すれば、同社は強い競争力を持つことができます。

また、町の飲食店が共通で使っている仕込み品…例えばお刺身のツマや、大根おろしなどなど、共通作業を自動ロボットに作業させるミニ・セントラルキッチンなども出てくる可能性があります。

 

イノベーションとは「新結合」であると言われる通り、今の事業に新技術を取り込むことができれば、あなたも社会にイノベーションを起こすことができるかも知れません。

 

コロナによって歪みが生じたこと、構造的な変化が求められていること、変わってしまった常識などから、新規事業の芽が芽生えてきます。

また、コロナ以前に小さな動きがあった新技術が一気に社会に普及していきます。

その過程で新技術と既存の事業が組み合わさり、さらに広く、深く新技術が社会に浸透していくことは間違いありません。

 

 

あなたは、積極的にチャンスを掴みにいきますか? それとも指をくわえて社会の流れを傍観しますか?