とことん「本質追求」コラム第396話 売上拡大の的を射る

 

 

 

「ホームページのリニューアルを計画している知り合いの会社の社長から相談をされているのですが…藤冨さんを紹介しても良いですか?」

 

大変お世話になっている方からのご紹介なので、是非とも!とお受けしてご紹介をされた社長と面談。

 

ホームページは、見せ方、やり方によっては、24時間365日眠らないセールスマンと化しますから、おいそれ!と簡単に着手することは出来ません。

じっくりと取り組ませてもらうために、今夏にコンサルティング契約を結んでの取り組みをさせてもらうことに致しました。

 

しかし、半年たった今も「ホームページ」は出来上がっていません。

いえ、そもそもホームページをリニューアルする気持ちすらありません。

 

このテーマは本当によく聞く「あるある話」ですので、是非ともみなさんとシェアしたいと思います。

 

当たり前のことですが、ホームページを改修する目的を明確にしなければ、リニューアルする意味がありません。

 

そんなことは当たり前だろ!と言われそうですが、意外にも多くのケースで「手段と目的」を履き違えている事があるので、私は分かっていても敢えて突き詰めるようにしています。

 

お手伝いした会社は「フィットネスクラブ」を営んでいます。

当然ながら(?)ホームページ改修の目的は「集客」です。

 

ここで、一般的なアプローチから入ると、ホームページを作る事が前提になっているので、競合他社のサイト分析、自店の強みの浮き彫り化、さらに検索ワードの洗い出しなど、ホームページで競合に勝つための作戦を企てていきます。

 

私が素直な人間なら、承ったご要望通り、ホームページで勝つための戦略を考えたでしょう。

 

しかし、初回訪問時に、私は異常なまでの違和感を覚えてしまい「捻くれ者」の性格が顕在化してしまいました。

 

同店の会員の年齢層は比較的高いのでは?と感じたためです。

伺うとズバリ的中。

 

「その年代層が、WEBサイトを駆使して、フィットネスジムを探しまくるだろうか?」

「ホームページを精読し、競合店と比較して、来店するだろうか?」と、モヤモヤして仕方がないので、社長にお願いをしました。

 

既存の会員に「なにでウチの施設を知ったのか?」「何がキッカケで入会したのか?」のアンケート調査をしてもらったのです。

 

すると…1位が紹介。2位が施設の前を通り掛かって。3位はチラシを見て、4位はその他で、5位にホームページ…。

 

なんと、5%の方しか、ホームページから集客ができていなかったのです。

 

嫌な予感が的中しました。

 

そして、「ホームページの目的が新規顧客の獲得なら、糠に釘を打つような結果に終わる可能性がとても高いです」と指摘。

 

そんな事を言われなくても、すでに気づいていた社長も、「確かに間違いないですね。ホームページ改修はやめましょう。」と即断即決。

 

話が早いので、まずは、既存会員が新規で入会してきたルートの魅力化政策を企てることにしました。

 

具体的な施策をお話ししてしまうと、守秘義務に触れるので公開することはできませんが…

 

非顧客が顧客に変換される行動パターンに沿った集客プランを企てること」を命題にして、社長と現場責任者のみなさんと一緒に企てた計画を実行。

3ヶ月ほどして効果を伺うと、なんと過去最高の入会率があったとのこと。

既存会員の20%もの方が新規入会されたとの嬉しい報告を受けました。

 

さらに新規獲得のみならず、既存会員の満足度も向上させて、さらに紹介案件を増やさなくてはなりません。

なにせ、入会のキッカケになる最大の要因が「紹介」なのですから、ここに最大限の焦点を当てなくてはなりません。

 

現場責任者から、新人さんまで、すべてのスタッフを巻き込んで、どうやったら既存会員の満足度を上げるか? をフレームワークに沿って、具体策を出してもらいました。

 

やはり、現場には「金の原石」が落ちているものです。

とある中堅スタッフの女性は、現場作業が忙しいにもかかわらず、A4用紙びっちり4枚ものレポートを書き上げてきました。

 

勤務時間内で出来る作業の質と量ではないため、勤務時間外で書き上げたのでしょう。

 

強い改革意識があったからこそ、このプロジェクトに向き合ってくれたのですが、驚くべきは、そのセンスでした。

 

企画業務に長年携わっていたかのような「要素分解能力」と「構想力」を兼ね備えていたのです。

 

正直行って、責任者もタジタジだろうと感じました。

 

しかし、この責任者も人格者。

その女性の案を一切否定することなく、諸手を挙げて賛成してくれたのです。

 

これは、組織が変革するターニングポイントです。

 

一気にアイデアを実現させれば、間違いなく結果に結びつきます。

成功体験が自信となり、組織に活力がみなぎってくるはずです。

 

ワクワクしながら、すぐさま実行すべき作業に分解し、役割分担とスケジュールを取り決めました。

 

改革を実行するときには、激しく集中的にかつ体系的に進める必要があるためです。

 

このプロジェクトは、間違いなく成功するでしょう。

 

当初は、ホームページを改修したい!という依頼でしたが、その目的は売上拡大でした(新規顧客の獲得)。

 

その目的を達成するためには、手段にとらわれず、漏れなく可能性を広げて考える必要がありました。

 

そして、顧客の目線価値観行動パターンに思いを馳せると、どのようなコミュニケーションをとれば、私たちの魅力に気づいてもらえるのか?を熟考する必要性がありました。

 

さらに、企画を実行レベルに落とし込むには、スタッフのやる気とスピード感が大切でした。

 

まだまだ、実行プランは、10%程度しか着手できていません。

これから9割もの作戦が展開されます。

私は予言者ではありませんが、過去の経験から見ても、間違いなく、このプロジェクトは当初の目標を達成できるでしょう。

 

これが間違って、ホームページ改修に着手していたら…

何十万円、何百万円ものお金をドブに捨てていたかも知れません。

 

御社では、的を射た「売上拡大策」の企画策定、業務推進支援策を打ち出せていますでしょうか?