先日、師匠とお酒を飲んでいたとき、藤冨さんは「プロダクトアウト」と「マーケットイン」どっちが正しいと思いますか?と尋ねられました。
「プロダクトアウト」とは、作り手の思想によって商品を企画、開発して提供すること。
「マーケットイン」は、顧客の声を聞き、顧客の求める商品を提供すること。
という意味ですが、私自身、顧客の声を非常に重視するタイプなので「マーケットイン」の思想は大事にしています。
しかし・・・
「顧客の求める商品を提供すること」と定義するなら、これは否定せざるを得ない・・・
そもそも、本質的に顧客は求めている商品は存在しないなー・・・などと、酔っぱらいながらグルグルと思考を巡らせた結果の答えは「プロダクトアウト」。
師匠は「良かった~」と胸を撫で下ろしていましたが、きっと私のコンサルティングメニューが市場との対話」にかなりの比重をおいているので、「これで中小企業の売上を拡大できるのか?!」と心配していたのでしょう。
私が市場との対話を大事にしているのは、現状がどのように認識されていて、あるべき姿はどこあるのか? この事実をしっかりと掌握することにあります。
商品やサービスは、「現状」と「あるべき姿」のギャップを埋めるために存在しています。
お客様は「こうなったらイイな!」という理想と、それが成し得ていない現実との差を埋めるために、この商品は最適なのか? という視点で購入するか否かを判断しています。
最高な解決方法!
これを導き出すことこそが、プロの仕事であるべきです。
例えば、注文住宅を売る営業マンが2人いたとします。
一人目は、マーケットイン思考のM君。
彼は、お客様から、部屋の間取りや、窓の大きさ、床や壁の素材などなど、細部にわたってヒアリングをし、お客様の理想とする住宅を建築しました。
しかし、発想したそもそもの脳みそは住宅にはド素人のお客様です。
プロである企業サイドは、年間に何十棟と建築してお客様の生の声を知っているはず。
なのに、その実例をゼロリセットし、お客様の要望だけで商品を提供してしまったわけです。
もう一人は、プロダクトアウト思考のP君。
彼は、家族構成やライフスタイルから将来の夢まで事細かにヒアリングをしました。
- 長男は中学生。あと10年後には独り立ちするかも知れない。
- 奥さんの趣味は園芸だけど庭が作れない。屋上かベランダに水場をつくれないか。
- 旦那は超多忙・短時間でも深く落ち着ける空間があるべきだ。
などなど、現状とあるべき姿を明確にした上で、そのギャップをどう埋めるか・・・に思考を巡らせ、提案する。
お客様から見て、どちらがプロらしく映り、魅力的だと感じるか・・・一目瞭然だと思います。
マーケットや顧客を知り尽くし、最適なプロダクトを提供すること。
そう考えると「マーケットイン」と「プロダクトアウト」という言葉を超越したところに、あるべき企業活動の姿があるのだと感じます。
先日、ようやく完成した私のコンサルティングメニューは、「波及営業」というプログラムの導入について支援するものです。
「波及営業」とは、業界トップ企業を確実に受注して、その導入実績をネームバーリューとして取引先を一気に拡大していくもの。
確実に・・・
そう私自身が、営業マン時代に築きあげたノウハウを軸に、他社の事例研究で肉付けして、全社一丸となって取り組む営業・・・いえ事業活動により、業界トップを確実にクローズし、その実績を元に取引先をビシバシ開拓していく手法です。
そのスタートラインに立つためのポジショニングが、今回のメルマガで取り上げた「マーケットイン」と「プロダクトアウト」を超越した「事業活動」への取り組みとなります。