「ウチには、センスのある人材がいなくて……社員のセンスを磨くことって出来るのでしょうか?」
かなり前になりますが、ある新市場開拓のプロジェクト会議を終えたあと、車内で社長から受けたご質問です。
・これまでとは違う見込客の発掘方法の創案
・もっと売上をあげるための商品の見せ方・伝え方。
・新しい販路を開拓して、事業を飛躍させる道筋…。
いずれも、競合他社がやっていない新しい戦略をつくろうとなると、やはりセンスが必要になります。
また、経営陣が立てた戦略を戦術に落とし込み、現場で実践させていくのにも、センスが求められます。
しかし、センスを磨くとなると、並大抵のことではありません。
そもそも、過去と他人は変えられない…という現実があるなか、社員のセンスを磨くなど一般的には不可能なことです。
そう思ったまま、「社長、社員センスを磨くなんて無理だと思いますよ」と発言し、ずっと思考回路を停止させていました。
ところが、あるプロジェクトに参画して、不可能を可能にする方法があることに気づかされました。
まだ、仮説段階に過ぎませんが、少なくても小さなブレイクスルーが現場でおきていたことは事実です。
答え(仮説)に行き着く前に「センス」の源泉となっている資質について共通認識をもっておく必要があります。
藤冨は、センスには3つの資質が必要と考えています。
1つ目は、感受性。
新しい売上拡大方法の創案および現場への落とし込み…という視点に限ってみてみます。
まず自社商品に秘められている本質的な価値を感じ取ることができなければ、チャンスを見いだすことは出来ません。
そのものが持ち得ている価値をどれだけ数多く見いだせるのか…感じ取るチカラがセンスの源泉になっているはずです。
2つ目は、知識です。
価値を見いだせても、それが誰に取って最も利益や満足を享受出来る可能性があるのか…。
様々な知見がないと、新しい見込客の発掘方法や新販路の発案はできません。
これも、センスの源泉になっていることは間違いありません。
最後の3つ目は、自信です。
これは面白いかも…と思っても、過去自らのセンスを活かして新しい試みを実行し、それが成功した実績がないと自信は芽生えてきません。
自信がないと、高い感受性で見いだした価値を、この市場なら利益や満足を享受できるのでは…と脳裏によぎっても、自信なさ故に「気づき」がすぐに脳内から消去されてしまいます。
この3つがセンスの源泉になっているのは、経験上間違いはありません。
が、どれを取っても教育訓練で習得するのは難しいテーマばかりです。
例えば、感受性。
感受性が高い人の特徴は、自分以外のヒトやモノの「他との相違点」や「変化」に気がつけることです。
一つのモノゴトを多面的に捉えることで、違いや変化がわかるようになります。
冒頭のテーマになりますが、この感受性を高めることなど、教育云々でどうにかなるテーマではありません。
知識は、一見すると教育訓練で習得できそうな気がします。
しかし、売上拡大策の新しいアイディアの発案となると、それに必要な知識は膨大となります。
ゴールが明確になっているテーマなら、必要な知識を整理して習得すれば良いでしょう。
しかし、新しい販路を見つけたり、新しい売り方を発案するのは、ゴールを探すことがテーマとなるわけです。
必要な知識がどこに落ちているか分かりません。
そのため、一見ムダに思われる知識など雑多な知識が脳みその中に放り込まれている必要があります。
体系化されていなくても、知識のタグだけでも入っていれば、あとは芋づる式に知識を引き出すことできるので、少なくても知識のタグだけは必要です。
そのため、雑多な知識を脳みそに入れる「好奇心」という原動力が必要になります。
ところが、これもまた難しい問題で「好奇心を持ちなさい!」と人にいったところで、持てるようなものではありません。
これは、心理学的でいう禁止令が働いているケースがあり、容易に解除できるものではないからです。
最後の自信もそうです。
元々もあればそれで済む話ですが、外部の刺激では「自信」は芽生えません。
各個人の行動結果に依存せざる得ないテーマとなります。
このような現実から、これまで「センスを磨くなど不可能だ」と思っていました。
しかし、継続的なコミュニケーションが必要にはなりますが、チームによってセンスを磨くことは出来るのでは…という仮説をいま抱いています。
コンピュータでも、単体では処理できない計算を、複数のマシンをつないで並列処理すれば、膨大な計算が実現できます。
繰り返しになりますが、センスには「感受性」「知識」「自信」が必要です。
チームであれば必然的に多面的な視点がはいります。
さらに、このチームに外部からの刺激を加えることで、その受け皿は面白いように広がっていきます。
さらに知識も各個人の脳を連結させることで、必然的に雑多な知識が芽生えてきます。
これも、上記同様に外部からの刺激を加えることで、さらにアウトプットの精度がよくなっていきます。
そして、自信。
自分だけの発言責任という重みが外れ、「赤信号皆で渡れば怖くない」という心理が芽生えます。
ある意味、みんなの発言となれば、大胆な発言も出てきます。
根拠のない自信がチームで芽生えるので、これはこれで有効です。
このように、センスの源泉となる3つの資質が、チーム単位であれば習得できる論拠がたちます。
つまり、ある課題をあたえ、チーム単位で外部刺激を加えることで、チーム単位でセンスを磨いていくことは実現できうる可能性が高いということです。
まだ仮説段階ではありますが、事実を積み重ねてみると極めて高い確率で、効果が期待できます。
顧客の要求や競争環境の変化が著しく、つねに自社の変化を求められる現代。
新たな成長ベクトルを創案し実行させて行く為の体制づくりが求められています。
戦略の立案。
立案した戦略の戦術への落とし込み。
さらに、戦術を実践して、成果をあげるための行動目標。
どの階層においてもセンスがある人材…いやチームが必要となります。
御社では、センスを習得させるための仕組みづくりに着目していますでしょうか?
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