とことん「本質追求」コラム第188話 売上を飛躍させるマーケティング担当者の条件とは?

 

「そろそろウチもマーケティング担当の選任をつくろうと思います。誰が最適だと思いますか?」

 

 

前回のコラム「教育で「売れる営業マン」を育成できない理由」を読んだクライアントさんから、改めて相談を受けました。

 

ムダな営業マン教育に時間と資金を投資するよりも「見込客発掘」「既存客フォロー」など営業活動の機能分解して、適材適所を割り当て直した方が生産性はあがる…と直感したそうです。

 

特に波及営業を実施してきた企業なので、「見込客の発掘プロセス」は明快になっています。次のステップとして、この作業担当者を専任にして、責任と権限を持たせようということです。

 

責任をもたせる以上は、成果のあがりやすい状態にしないと経営者も社員もお互いに不幸になります。

 

従って、適材の条件を吟味することが、最初の課題となるわけです。

顔が見える会社なので、Aさんが良いです…と言いたいところでしたが、あえて言いませんでした。

私自身の思い込みを排除するためだけではありません。

まわりくどいようですが、改めて適材の資質を精査して、その条件に見合った人材を社長さんと一緒に吟味した方が組織運営上、効果的だと判断したからです。

業務を拡張して、新たに人材募集をするときに、必要要件が明確になっていれば、採用基準に迷わない…そう思ったのです。

 

じれったさを抑え、見込客を発掘するための人材(マーケティング担当)と営業担当者の資質の違いについてお伝えすることにしました。

 

営業マンに欠かせない資質のなかには、

第一印象

コミュニケーション能力

諦めない・負けず嫌いな性格

他者の言動に左右されない自己肯定力

目標達成意識

などがあります。

(受注検討期間の短い商品と長い商品では必要な資質は異なります)

 

特に、商談時においては、他者の言動に左右されない自己肯定力や商品への思い込み力が必要です。

 

前回のコラムで申し上げた通り、この「他者の言動に左右されない…」という資質は、教育で何とかなる問題ではありません。

 

従って、この資質を持っている人材は、営業マンとして教育不可の必要資質を備えていると判断することができます。

 

しかしマーケティング担当は、その資質を持っている必要はありません。

逆です。

環境を大きく捉えて、素直に受け入れ、対策案を柔軟に発想できるン能力が必要です。

 

営業担当者は、自分の思い通りに環境を変えられるチカラが重要なのと比較して、マーケティング担当者は、環境にあわせて自らを変えるチカラが必要です。

 

営業担当者とマーケティング担当者の必要資質が大きくことなるところです。

 

環境にあわせて自らを変えるには、ゼロをイチにする能力を持ち合わせている必要があります。

 

ゼロからイチにする能力…これを持ち合わせている人はそう多くはありません。

統計的な数字はわかりませんが、様々な社長さん達と話している中では、1割いれば良い方では?と感じています。

 

先週末、長い間顧問として関わらせて頂いている社長さんと飲んでいたときにも出た話題です。

 

イノベーション型の商品を提供している企業なので、ゼロからイチにするチカラを持ち合わせた人材採用が必須とのこと。

 

今いる社員の大半が、その希有なチカラを持っている人達ばかりだそうです。

ある種、特殊能力を持ち合わせた人材ばかりを集っているというわけです。

 

その会社が人材募集をしたときのこと。

一次面接を突破したてきた中国人を社長が直接面接したそうです。

 

社長は、「これまで何度か中国人と一緒に仕事をしてきた。徹底してサボる人。一生懸命取り組む人。どちらかです。あなたがどちらですか?」とズバリ切り込んだそうです。

 

すると中国人の口から「これまで沢山の応募をしてきました。履歴書を送っても返事すらかえってこない企業があります。きっとイヤな中国人を採用した経験があるのでしょう。逆に歓迎する企業もあります。きっと素晴らしい中国人を採用してきたのでしょう」

と前置きした上で…

「私は、会社に入ったら一生懸命仕事します。私が会社に対して貢献すれば、中国人の評価があがります。あとに続く人のためにも私は頑張らないといけません」と応えたそうです。

 

この話を聞いて、環境にあわせるチカラとは、「ある事実を正しく捉え、他者がどう自分に影響するのか。自分の動きがどう他者や環境に影響を与えるのか…思いを馳せる能力が欠かせない…」と改めて整理がつきました。

 

話が少し脱線してしまいましが、マーケティング担当者に必要な資質は環境を正しく捉えるチカラと、その対処能力です。

 

例えば、このコラムもアクセス解析をしています。

毎週火曜日に配信していますが、タイトルが面白いコラムだとアクセス数は伸びます。しかし内容が面白くないと滞在時間が短くなります。

滞在時間が長いということは、読んだ人の評価が高いことになります。

となると、口コミが発生している可能性があります。

 

その仮説をもとに、配信日以外にも読まれているか…をチェックします。

すると、2年前に書いたコラムでも、未だ新規の人が読んでいることが分かります。

 

一例ではありますが、環境を正しく捉えることには、こうしてデータを深追いしたり、そのデータの背後にある人間心理や行動想定をできる能力が必要です。

 

その上で、「なぜ?」「もしかして…」と素直に疑問を持ち、仮説を立てられる習慣をもっていることが、「ゼロからイチを生み出す能力」に繋がっているのです。

 

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