とことん「本質追求」コラム第121話 成功する事業は「未来」を見つめ、どん詰まる事業は「今」を見つめている。

「Appleは衰退する可能性がありますね……」
これは、Appleをこよなく愛し、iPhone信者を少なくても100人以上つくってきた方の予測。
私も思いっきり賛同しました。

 

理由は単純です。
iPhoneのサイズが大きくなって来たからです。

競合の動きに不安に駆られて、流されたものに明るい未来はありません。

 

スマホ市場を見渡すと、日本だけがiPhoneのシェアが高く、世界市場では、Androidにかなり競合に押されています。

 

その不穏な動きは、日本にも確実やって来ているようです。
と言うのも、当社および私がお手伝いしている会社のホームページを分析すると、BtoBの業界では、70%程度のアクセスがありますが、BtoCの業界では、50%近くまでアクセスシェアが落ちています。

1年前の80%と比べると、iPhoneからのアクセスは激減しているのです。

(あくまでも私が関与しているホームページからの視点ですが)

 

もし、これが全体市場と大きな相違がなければ、Appleにとっては脅威です。

 

こうなると、Apple内部は、戦々恐々としてきます。

ジリジリと減り続けるシェアに恐怖を覚え、迫り来る競合を見て、モノマネを始めていることが目につくようになってきました。

なので、この感覚に間違いはないでしょう。

 

競合の「Xperia」や「GALAXY」「AQUOS」の画面サイズは大きく「きっと多くのユーザーは画面サイズが大きいものを求めているのであろう…」と錯覚をいるのではないでしょうか。

 

『錯覚? 錯覚じゃないだろう…だって大きなサイズのスマホは売れているんだし…』と言う声が聞こえてきそうですが…… 残念ながらそのままの現実を飲み込んむと市場のホンネをはき違えることになります。

 

いえ、正確に言うとホンネでもありません。
そもそも市場には、ニーズなんて持っていないと「企画者」は考えるべきなのです。

 

とても乱暴に聞こえるかも知れません。
でも、一流経営者やクリエイター達に共通している感覚です。

 

日本セブン-イレブンの創始者 鈴木敏文氏も「夏場に“おでん”なんて、そもそもニーズはなかった」と言っています。

それでも、夏には冷房がガンガン効いている現代なら夏でも温かい食べ物に需要はある“はず“だと買い手も気づいていない欲求を拾い上げたのです。

 

すると買い手は「あっ、夏でもおでんアリだよね!」と購入し出す。

 

成功する事業者の視点というのは、常に市場の観察を怠らず「こうあったら買い手は喜ぶはずだ!」という未来に対する感性を働かせているのです。

 

決して顕在ニーズには対応しようとはしません。
つまり、今世の中にないものを生み出すことが必要なのです。

 

極論言うと、起業家精神なるものは、そのような創造性が必要なのです。

 

経営の神様と言われたドラッカーも断言しています。
『企業家精神にコミットせよ』

― 今日、企業のエグゼクティブは、体系としてのマネジメントの経営管理的な側面に全面的にコミットしている。しかし、いまや起業家的な側面にコミットしなければならない ―

 

― 企業家精神とは、個人であれ組織であれ、独特の特性を持つ何かである。気質ではない。実際のところ私はいろいろな気質の人たちが、企業家的な挑戦を見事に成功させるのを見てきた ―

つまり、この「独特の特性」を生み出すときには、絶対に競合他社を見てはならないわけです。

競合他社を見ると、思考が引きずられてしまうからです。

 

セブンの創始者である鈴木氏も部下に、こう喝破したと言います。

「絶対に競合店を見てはならない。「今」は既に過去である。過去を分析しても未来は描けない」と。

15年以上まえサラリーマン時代に学んだ記憶なので、一語一句は正確ではないと思いますが、当時営業マンだった私にもグサリと刺さり、徹底して自分路線を貫いた記憶があります。

システムを販売していたので、切り口の見せ方によっては、世にないものだと見せることも出来るので、徹底してその売り方に徹してきました。

しかし、多くの営業マンは、自分が売れなくなると、競合他社のせいだ…と被害妄想的になります。
商品が悪い。
価格が高い。

と売れないのは、自らの責任を放棄した発想になりがちです。

 

しかも残念なことにこれに引きずられるように、会社側も売れなくなると誤った判断に陥りがちになります。

 

「顧客視点が大事だ!」と、顧客と接する営業の意見を尊重するようになるのです。

 

しかし、その営業マンが抱く「危機感」は、いまを見た判断がほとんどです。
これでは、企業家精神に則って、新しい顧客を創造することは出来ません。
本当なら、自社商品を必要としている人や企業がゴマンといるかも知れません。

ちょっと、商品のコンセプトをリニューアルするだけで、自社の顧客がリプレイスしてくれるかも知れません。これも立派な「顧客の創造」です。

さらに、自社の技術を活かした新商品で、第二創業への飛躍を遂げることができるかも知れません。

ワクワクしたビジョンがなければ、組織は暗くなるばかりです。

そう考えると…前のAppleは本当に心配です。

スティーブ・ジョブズ氏が生きていたら、新しいiPhoneのデザインを見て水槽に沈めてしまうでしょう。

「これはiPad miniの小型版か?」と。
本来「片手で操作できることがiPhoneのデザインポリシー」であるはずです。
そもそも、こういった機器の究極の目的は、最小の動作で、最速・最大のアウトプットを出す事です。

 

誰でもわかるシンプルなのことなのに、こうした原理原則に反した行動をとってしまうことが往々にしてあります。

その原因は……は、この究極の目的を果たした先に、自社の未来はあるのか…という不安です。

 

不安に駆られたチャレンジャーが勝負に勝った試しはありません。
不安に打ち勝ち、企業の明るい未来を描くのか。
不安に打ち負け、企業をどん詰まりへと導くのか。

この自分との戦いが、勝敗の行方を担うことは間違いありません。

 

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