「商談を発掘する唯一の手段だったYouTubeアカウントが突然停止されました。このままだと生活できなくなります」
知人経営者から、突然悲痛な相談がきました。
収入の源泉が途絶える絶望感は、言葉にできないほど深刻です。
以前、私にも経験があります。
インターネット広告からの集客に依存しており、ある日突然広告が掛からなくなりました。
ランディングページ(LP)という言葉がない時代に、縦に長い文字がビッシリ書き込まれたホームページを一時、Googleが一斉に追放。
村八分ならぬ、Google八分という事件が勃発し、当時のLPはほぼ壊滅状態になった事件に、私も当事者として巻き込まれました。
広告だけでなく、通常の検索からも排除され、ホームページが存在しない状態になりました。
これは売上が最悪の場合はゼロ、良くても大幅に減少することを意味します。
血の気が一気に引いたあの感覚は、今でも忘れません。
さらに、追い討ちをかけたのは私の師匠の第一声です。
「良かったですねー」の一言。
言っている意味が理解できず、放心状態になりました。
ところが、なぜ良かったですねーなどと軽々しく言ったのか?と、何度も頭のなかで反芻するうちに、次第に冷静さを取り戻していきました。
頭の中に芽生えたのは「活路を探すぞ」という不退転の決意です。
まず着手したのは、半年くらい仮に収入がゼロになっても会社を維持できるお金を金融機関から調達したことです。
次に、サラリーマン時代に経験したダイレクトメールによる集客を思い出し、勝負をかけました。
一発逆転!とまでは、いかないものの、確かな手応えを感じることができ、地道な努力と共に復活することができた経験があります。
冒頭の知人経営者にもお伝えしました。
絶望の中に突き落とされたら、活路を探すチャンスです!と。
絶望は、力の源泉にもなります。
生存本能を刺激し、通常より高いパフォーマンスを発揮するチャンスを与えてくれるからです。
しかし、この自らの生存本能を信じずに、保守的になったり逃避してしまうと、状況を悪化させてしまうリスクが高まります。
攻撃は最大の防御なり、という言葉は、格闘技を経験したことがある方は、その通り!と納得してくれると思います。
防御に回ると、相手はチャンスを判断し、さらに攻め込んできます。
どんな悪い状況に追い込まれても、好機を虎視眈々と見付け出し、全てのエネルギーを一極集中させて猛攻に転ずる精神力を絞り出すことができれば、必ず活路を見出すことはできます。
この時の好機の見つけ方が、おそらく勝負の分かれ道となるのでしょう。
退路が閉ざされるような「絶望感」を感じたら、まずはゲームチェンジを起こすには何をすれば良いか?と考え続けることです。
状況を改善させる発想を切り捨て、状況を抜本的に覆す「策」、活路を見出すのです。
藤冨は中学1年生の頃に、実の兄から酷いイジメにあっていました。
母は仕事をしていたので、学校から帰ってから夜になるまで、毎日毎日サンドバック状態になっていました。
薄いクッションを持たされ、腹を殴る練習に付き合わされるのですが、防御は禁止。
血痰が続き、このままでは死ぬのでは?と、頭をよぎったほどです。
学校でのイジメは不登校になれば回避できるけど、家に帰らないことはできません。
絶望の日々の中で、取り組んだことは「空手のトレーニング」です。
後に知ったことですが、16世紀頃にブラジルに強制的に連れてこられたアフリカ人奴隷たちによって生み出された、格闘技とダンスが融合した「カポエイラ」という武術があります。
まさに、そのような思考から取り組んだ自主トレでした。
隠れて筋トレを重ね、空手の本を読みながら、拳とスネを鍛えました。
巻ワラの代わりに、壁を力いっぱい殴り、コーラの2ℓ瓶でスネを叩き鍛え、兄と戦う準備を重ねました。
その間不思議と、殴られるのが楽しくなりました。
殴り方のクセを見抜き、チャンスの掴み方を探求していたからです。
2年後、これはイケる!と思った瞬間、戦いに挑みました。
圧勝とはならなかったものの、こいつヤバいかも…と思った兄は、その後一切暴力を振るわなくなりました。
絶望感に苛まれ、今すぐ状況を改善できなくても、活路を見出すことに集中すれば世界観が変わります。
気持ちが前向きになることで、苦しさがかき消されるからです。
「活路を見出す」
改善でなく、ゲームチェンになり得る活路を見出すのです。
・大きな不祥事によって、会社の信用が大きく毀損した
・主要な取引先から急に取引中止を言い渡された
・優秀な社員たちが総出で退職した。
組織を運営していると、本当に様々な苦悩が降りかかります。
小さなことから、大きなことまで、働く人にも経営者にも様々な苦悩が、突如襲うことがあります。
2025年は、多くの企業にとって様々な環境変化がやってくる可能性があります。
そこで、万が一絶望を感じる状況においやられても…思い出してほしいのです。
絶望は、ゲームチェンジを起こす絶好のチャンスになることを。
あなたにも、一度や二度は絶望感に苛まれた経験があると思います。
きっと、それが力の源泉となっているはずです。
その力を信じて、活路を見出す。
ゲームチェンジを起こす、チャンスに変える。
目の前の絶望に目をそむけず、活路を見出す!
あなたは、どんな絶望感に苛まれたことがありますか?
その時、どんな活路を見出しましたか?