「セミナー受講して良かったです。顧客ファクトからマーケティングを組み立てる重要性がとてもよく理解できました」
先週開催したセミナーは、お一方だけ「まぁまぁ満足」にチェック。
他8名の方は「非常に満足」にチェックして頂きました。
前回と全く同じアンケート結果だったので、次回は100%の「非常に満足」を目指して、セミナー構成を見直したいと思います。
さて、そのセミナーのアンケートには、複数の方が上述のような感想をお書き頂いていました。
最もお伝えしたい「コアメッセージ」だったので、受け取って頂きホッと胸を撫で下ろしています。
近年、ネットマーケティングと言う単語が社会に浸透し始めた影響でしょうか?
マーケティングを「売り方」だと勘違いしている方が多く見受けられます。
また、マーケティングフレームワークも広く知られるようになり、フレームワークから事業計画を立案しているケースもよく見聞きします。
単なる思いつきアイデアから商品を開発し、販売活動に展開するよりは、フレームワークを使った方がまだマシですが…
まず道具ありき…というビジネスの進め方は、失敗するリスクを増大させるので、注意が必要です。
フレームワークは、単なる道具です。
手段です。
では目的はなんでしょうか?
自社の売上高向上?
違います。
売上は、あくまでも結果です。
事業の目的は、顧客の満足の獲得です。
顧客の満足を獲得した結果として、売上高が増大します。
大事な人を自宅に招き、ご馳走を振る舞い、楽しい時間を過ごそうと思った時…
料理は、単なる手段でしかないのと一緒です。
作り手がどれだけ美味しい料理だと思って出しても、それが相手の苦手な料理であれば、相手は喜びません。 場はしらけ、楽しい時間を作る目的が達成できなければ、本末転倒です。
手段と目的を取り違えてしまうと、いくら努力しても期待する結果にはつながりません。
アタリマエのように聞こえますが、組織活動になると、ズレが生じてくるので、リーダーは強く意識することが必要です。
そのため、セミナーでは「顧客ファクト」すなわち顧客の真実を深く理解し、それを組織で共有することの重要性を強調しました。
日本企業の一般的な組織図は、営業部、研究開発部、生産管理部、製造部、財務、人事…など、機能別に部門が分かれています。
人材教育や役割と責任の明確化という観点では、機能別組織は有効です。
しかし、顧客の置かれた状況(真実)を、組織全体で深く理解し、顧客満足を実現するために、我々は何をなすべきか?を考える際には、機能別組織だけでは限界があります。
そこで重要になるのが、部門横断的なアプローチです。
営業が顧客の真実の姿を掴み、その情報を組織にフィードバック。
そして、その情報から「顧客の本質的な課題」を浮き彫りにし、我々の技術やノウハウを使ってどのような課題解決策を提案できるのか?
同じような課題を抱えた顧客がどれだけ存在し、市場として形成されそうなのか?
出来上がった製品は、本当に市場が受け入れ、実際に購入して使ってくれて、課題解決に役立ってくれるのか?
営業、開発(企画)、製造が、一丸となって、顧客の課題解決に取り組むことで、真の満足を勝ち取れるのが、部門横断チームの役割となります。
藤冨が、20代前半でマーケティングコンサルタント会社に勤務していた際、セミナーに参加してくれた企業のマーケティング部門や研究開発の人たちは「営業は、脳みそまで筋肉だから話が通じない」と、ディスっている光景をよく見かけていました。
一方で、営業部門の人たちの声に耳を傾けると「マーケティング部門は、現場をわかっていない。頭でっかちだから、話にならない」と反論しているのも、よくよく見かけていました。
本来であれば、組織一丸となって顧客の課題解決に真摯に向き合うべきなのに、内部分裂を起こしてしまっている…。
これでは、顧客の満足も実現できず、結果としての売上も上がらないのは、火を見るより明らかです。
当時、新商品の成功確率はセンミツ(1000ある企画のうち、ヒット商品は3つ程度)と言われていました。
この低い成功確率は、セクショナリズムが一定の割合で影響しているのは間違いありません。
私たちは、顧客の置かれた状況を元に、課題や問題の仮説を考え、お客様に「その状況だと、もしかしてこんな課題がありませんか?」と投げかけファクト(真実)を確認。
その課題を解決したら、どのような顧客メリットがあるのか?の仮説を考え「もしその課題が解決したら、このくらいの経済的メリットがありませんか?」と、顧客の真相を深掘りしていくことで、その商品の営業力を見極めています。
そうです。
商品そのものに営業力があるかどうかを見極めるのです。
このアプローチなら、センミツなんていう消耗戦に陥ることはありません。
顧客にメリットをもたらす価値から、企画、開発、生産する「逆算思考」は、最強のアプローチだと断言できます。
御社は、逆算思考を組織的に連携させていく仕組みを構築していますでしょうか?