とことん「本質追求」コラム第551話 ランディングページで成果が出ない時の改善ポイントとは

 

「前回のコラム”成果の出るランディングページ(LP)の作り方”は、とても参考になりました。一点だけ教えて欲しいのですが、ランディングは、完成したら終了…ではなく、LPは”育成”するものである!という点について、具体的にはどの様な取り組みをすれば良いのでしょうか? 教えてもらえると嬉しいです」

 

最近、読者の方から沢山の質問をいただき、とても嬉しく思っています。

コラムのネタとして、活用させて頂くお礼として、中核となるノウハウも公開したいと思います。

 15年ほど前。 藤冨は、ネットを活用したセールスの可能性を強く感じ、当時ほとんど認知されていなかったLPを作成しました。まだ、LPという単語も無く、セールスレターと表現していた時代です。

全てが手探り状態でのスタート。

継続的なトライアル&エラーが必要だと感じたので、ホームページ制作は外注せず、自分で改修できる様に勉強しました。

とは言っても、スクールに通って勉強したわけではありません。

サイト制作を依頼したい…と、デザイナーを事務所に呼んで、目の前で作ってもらったのです。

まるまる一日を拘束して、ずっと彼の作業を後ろから観察・質問を繰り返して、修正程度ならできるスキルを身につけました。

なぜ、そんな面倒臭いことをしようと思ったのか。

セールスレターという単語から想像するに、パンチ力のある「営業トーク」というのは、経験値を踏まないと研ぎ澄ますことは、出来ないと感じたからです。

 ちょっと修正したいのに、いちいち外注に依頼していたら、お金だけでなく、やり取りの時間まで浪費してしまいます。

営業トークというのは、ちょっとした一言を加えるだけでも、受注率が向上するもの

たった一言の修正だけで、外注依頼をするのは、明らかに生産性が低いと感じたので、全て自分でやることを最初から決めていたのです。

 

無事セールスレター型のホームページ(LP)が出来上がり、1週間後に公開。

初月の売上はモニター募集という体のもと、大幅値引きをし、トータル月8万円を上げました。

学生のアルバイト代程度でしたが、自分の分身となったセールスレターが、ネット上で自動的に売上を作った手応えは確かなものとして感じたのです。

 

その後、毎日、毎日、数字と睨めっこしながら、セールスレター(LP)の育成に取り組みました。

最初のモニターが、成果を出し始め、セールスレターに「お客様の声」として追加記載。

3ヶ月には月30万円。半年後、100万円。1年後には、200万円…と、仮説ー検証を繰り返した結果、面白い様に売上に繋がり、とうとう年間受注件数が、事業計画通り、統計上のシェア10%まで伸びていったのです。

 

大前提として「営業トーク」や「殺し文句」を生み出す力が必要ですが、仮説ー検証を繰り返した結果、どの様にLPを育成すべきか…

経験から生み出したノウハウを特別にお伝えしたいと思います。

 

育成をする、という視点を持つと、まず成績表をつける必要があります。

 

成績表は、Googleが無料提供している「Google アナリティクス」というアクセス解析ソフトを使います。

WEBデザイナーに「Google アナリティクス」を設置してほしい…といえば、5分もあれば設定完了します。

 

成績表をチェックするポイントは…

  • エンゲージメント
  • カート廃棄率(カゴ落ち率)
  • CVR率(コンバージョン率)

この3つの指標で、セールスレターの優劣を判断していきます。

 

順番に解説していきましょう。

 

1.エンゲージメントとは「サイト滞在時間」を計測しています。

このサイトに何秒滞在したか…の統計を見ることができます。

購買率(≒CVR率)を向上させるには、サイト滞在時間を長くする必要があります。

コンビニやスーパーでも、よく売れる商品群を店の奥に配置し、店内滞在時間を長くするようレイアウト設計・ゾーニング管理がされていますが…この購買心理とほぼ一緒です。

 サイト滞在時間を長くするためには、魅力的なキャッチコピー、思わず次を読みたくなる様な営業トークの組み立てが必要。

この観点を意識しながら、意図的にキャッチコピーなり、営業トークを組み立て直していきます。

すると、変更前と変更後とでは、滞在時間に変化が現れます。

何が良かったのか、何が悪かったのか…変化したデータを見ながら、ブラッシュアップしていくと、セールストークは、キレキレにブラッシュアップされていきます。

 

2つ目のポイントは、カート廃棄率(カゴ落ち率)です。

皆さんも経験があると思いますが、一旦購入しようと決めて、名前やメールアドレスを申し込みフォームに打っている最中に「やっぱ、後にしよ」と途中離脱した経験があると思います。

これをカゴ落ち率とか、カート廃棄率と言います。

このカート廃棄率は、なんと平均7割弱との統計が出ています。

なぜ、カゴ落ちするのか?
どうすれば、カゴ落ちしないのか?

販売している商品の特性と、サイト閲覧者層の感情の仮説を立てながら、改善案を施すことで、このカゴ落ち率を減らしていくのですが…

藤冨の経験上、カート廃棄率は、20〜40%以内にすることが可能です。

売上にすると、簡単に2倍以上は向上しますから、自社のサイトを眺めながら、どうすればカート廃棄率が減るのか?を熟考するだけの価値はあります。

ちなみに、Amazonも徹底的にサイトでの買いやすさを追求し、莫大な研究開発投資をしています。
それはカート廃棄率を改善すると、面白いほど売上が上がることを知っているからです。

滞在時間を増やすよりも簡単に改善できますから、ぜひ着手させることをお勧めします。

最後、3つ目のCVR率(コンバージョン率)ですが、多くのマーケッターは、この指標を最も重視しています。

しかし、これはあくまで結果の数値。

営業成績の悪い営業マンに、もっと売ってこい!と、指導しても、成果が上がらないのと一緒で、この指標に目くじらを立てても何ら意味はありません。

怠惰な営業マンを除くと、成果が出せないのは、何をすれば良いかわかっていないからです。

明確な行動目標(KPI)を打ち出し、努力さえすれば自ずと結果はついてくる…という環境を経営者層、マネージャークラスが明確に打ち出すことが大事なのと一緒。

CVR率と因果関係にある「滞在時間」や「カート廃棄率」の改善目標を立てることでしか、正しい改善策は打ち立てられないのです。

この3つの成績表と睨めっこして、どこをどう改善すると、優秀なセールスマンとして機能するのか…
監督者、コーチになったつもりで、セールスレター(LP)を育てていくと、ランディングページは成果を出し始めてくれます。

御社は、優秀なセールスマンとなり得るランテングページ(LP)を放置プレイにしていませんか?