算多きは勝ち、算少なきは敗る。ましては無算では。

「孫子の兵法」

夫れ未だ戦わずして廟算(※1)して勝つ者は、算を得ること多ければなり。
未だ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。
算多きは勝ち、算少なきは勝たず。
而るを況や算なきに於いてをや。
吾れ此れを以てこれを観るに、勝負見(あら)わる。

※1:廟算(びょうさん)我が軍に勝算があるか否かを検討すること。

 

<廟算を知る「五事七計」>
戦いを始めるにあたっては、これを経するに五事をもってし、これを校するに七計をもってす。

五事

「道」 顧客に価値あるものを提供しているか。
「天」 コントロール不可能な外部要因は、味方をするか。
「地」 競合との優位性は確立できているか。
「将」 リーダーおよび参謀の能力差が、競合より勝っているか。
「法」 適材適所。各部門間の統制。

七計

「主」 君主として、どちらが優れているか?
    ※社長が定める経営理念や企業文化の育成
「将」 将軍は、どちらが有能であるか?
    ※営業幹部や参謀の戦略策定力
「天地」自然の条件は、どちらに有利であるか?
    ※コントロール不可能な外部要因の「機会」と「脅威」
「法令」組織としての法令は、どちらがきちんと運用できているか?
    ※組織の編成力、適材適所
「兵衆」兵士は、どちらが強いのか?
    ※営業部門、マーケティング部門の能力
「士卒」将校は、どちらがよく熟練しているか?
    ※現場リーダーの戦況掌握、対策能力
「賞罰」賞罰に対して、どちらが明確にしているか?
    ※現場のモチベーション・コントロール力

※印は、藤冨が企業運営に使えるように意訳したもののメモ書きです。