きもの川久 代表取締役社長 川上道久 氏

きもの川久-川上道久氏-教える人に実績や実力がないと人はついてきませんからね

営業マンの定年退職が相次いだ着物屋さん。営業マンのチカラに頼らず「売れる仕組み」の構築づくりに成功。

お話を伺った方

きもの川久

  • 代表取締役社長 川上 道久

着物の市場が縮小していくなかで、川久の川上道久社長は呉服専門店の立場から、なによりも着物の良さを顧客に理解してもらうことが営業の基本と説いています。顧客と一緒に京都のお寺を巡るなど、着物を着る機会の創出にも心を砕く川上社長に、着物をめぐる考え方や営業への取り組みを聞きました。(聞き手=国谷和夫氏)

A:私の信念の一つは、他社が軒並みやっているレンタルは決してやらないことです。レンタルと言うと聞こえはいいのですが、要するに貸衣装。月賦をローンと言い換えて市場を拡大したのと同じように、今やレンタルばやりですが、着物は本来レンタルで提供するものではないと思っています。お客さんも、昔は古着は絶対に着なかったですよね。親は食費を切り詰めてでも、子供が成人式に着ていく着物を自費でまかなったものでした。

A:私は、京都の清水寺など有名なお寺とお付き合いがあります。昔は着物には魂が宿ると言われていました。幸せな晴れ舞台となる成人式に、他人の念が入った着物を着せるなんて、私には出来ません。

A:えぇ、他のコンサルタントから若くて優秀な人がいるからと紹介を頂きました。実際にあってみると、現場をよく知っているのでお願いしてみようと思ったのです。私は営業の現場からはもう離れていますので、社員に対して俺についてこいという売り方の指導ができなくなってきました。そこで、藤冨さんの知恵を拝借して、現場を引っ張っていこうと思ったのです。実際に現場も診てもらうと社員を引っ張るリーダー力もありました。

A:そうですね。教える人に実績や実力がないと、人はついてきませんからね。

A:コンサルタントは前からほかの方々に依頼していました。どうやって大きくするか、儲けるかという指導を仰ぐわけですが、その売り方の方法が過激になってきましたね。売れればいいとして、後のことは構わないんですね。そんな中、今までのコンサルの方々はレンタルを積極的に勧めていました。コンサルを入れると、いっときは売り上げをあげるやり方をするんですが、長く取り組む形にはならないですね。

A: ここ数年で、営業の前線で活躍してくれたベテランの営業が次々と定年でやめまして、営業力の強化がいっそうの課題になっているのです。

A:社内の体制づくりに力を発揮していただければと思います。やはり、営業マンなど社員の育成が大きな課題ですね。営業マンはこの1年でだいぶ入れ替わりました。彼らにどうやってやる気を起こさせるか。しかし、やる気を根性論だけで押していくのは無理があります。藤富さんは「仕組みで売り上げを立てていくことが肝要」と力説されていますが、ポイントは確かに仕組みをきちんと整えていくことだと思います。

A:これは藤冨さんに解説していただいたほうがいいかもしれませんが、たとえば、全体の営業の流れに沿った形で、DM(ダイレクトメール)のつくり方から顧客への電話のかけ方、アポイントの取り方、店舗での商談に至るまでの手法を構築していくことです。一連の流れを効率よく組み立てていくということですね。藤富さんがおっしゃっていますが、マーケティングと営業をリンクさせることです。DMの文面も、お店に来ていただけるような表現をすることで結果が出てきました。今後もこの辺り持続的に強化していきたいと思います。

インタビューの様子は動画でもご覧頂けます

きもの川久-川上道久氏-教える人に実績や実力がないと人はついてきませんからね