「成功の映像(イメージ)が浮かばない<戦略>は成功しない…」
目をつむったときに商品が売れて行く姿が、映画のように鮮明に再生されることは<戦略>の方向性が正しいか否かを決定づける一つの重要なチェックポイントとなります。
売り出すメッセージ、商品のデザイン、買い手が初めてその商品に出会ったときの印象…
一つ一つの”あり方”が詳細にイメージできれば、十中八九「成功」のシナリオを駆け抜けていきます。
これは、あくまでも個人的なチェックポイントなのですが、その結果がズレた事は、ほとんどありません。
重要なことなので、詳細にお伝えしたいと思います。
まず買い手の視点から考察すると…
ひとつ、ひとつの”あり方”が詳細に描かれた「映像(イメージ)」は、人の認識に深く入り込んでいきます。
人間の顔をイメージして頂くと理解しやすいです。
目が2つ、鼻はひとつ、口ひとつ。
これは、人間の顔を構成している基本形です。
しかし、一卵性双生児でウリ二つの兄弟以外は、各個人の「違い」を認識できるはずです。
冷静に考えると摩訶不思議な事です。
部位も構成も同じなのに、私たちはこの「微差」を「違い」として認識できるのです。
先週のメルマガでも料理を題材にして「微差」が「大差」に変わるとお話しました。
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専門家ではないので、あくまでも個人の見解としてご理解下さい。
長期記憶は「記憶の海」とよばれ、膨大な貯蔵庫をもっています。
しかし、その全ての記憶を顕在意識として呼び出すこと出来ません。
そのため明確に言語化して、その違いを説明することは出来ないのですが…
人間の顔を識別できることを考えると「微差」を「違い」として認識できるのは、確かなことです。
このロジックを整理してみると、どうやら私たちの長期記憶は、「好き、嫌い」「安全、危険」といった生存本能と密接に関係している…と理解するのが自然な流れです。
そう考えると、この「微差」は、<欲の充足>や<危険の回避>といった購買行動の根源に強い影響力を及ぼしているのが分かります。
だからこそ、私は、この微差…つまり「違い」を明確にイメージし、具体的なカタチに丁寧に落とし込んでいくことが、成功か否かの分かれ道となっていくと信じて、こだわるところは徹底的にこだわっているのです。
また、買い手の心理だけでなく、私たち売り手の心理・行動パターンにも強く影響を与えます。
というのも、人間はイメージ出来るものは、努力のポイントが分かるため、結果に結びつき易くなります。
逆に、イメージできないものは、努力のポイントが不明確であるがゆえに、結果に結びつきにくいのが現実です。
だからこそ、営業戦略を組み立てる際、具体的な映像が浮かんでいるか否かは、重要なポイントとなるのです。
具体的な映像が浮かんだら、これを一つ一つ”あり方”をカタチにしていきます。
どのような”あり方”であれば、シナリオが完成するのか…
緻密に落とし込む事で、成功確率は着実に向上していくのです。
パッと見の大きな違い(方向性)も重要です。
しかし、大きな方向性はあっているのに、「微差」を詰め切れていないために失敗しているケースも多々あります。
映画監督がワンカットのシーンにこだわるように、営業戦略も細部へのこだわりが成否をわけるのです。
日本マクドナルドの創業者、藤田 田氏は、日本一のチェーンにのし上げる過程で組織に、こう喝破していました。
「リテール(小売業)は、ディテール(細部)である」 と。
これは、何も小売業に限ったことではなく、事業活動を行う我々一人一人が注視すべき視点だと私は考えています。